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2009年9月 6日 (日)

国民医療費の数値を読む

 今月2日に厚生労働省が発表した平成19年度の国民医療費統計のデータをじっくり見た。総額は34兆1360億円。前年度よりも1兆0084億円も増えた。また、国民医療費の対国民所得比は9.11%(前年は8.87%)と過去最高になった。

 国民医療費は平成15年度が31兆5375億円だったから、4年間の年平均増加額を計算したら、驚くなかれ、約6500億円となった。増加の最も大きな原因は薬局調剤医療費の増加である。平成15年度に3兆8907億円だったのが、平成19年度には5兆1222億円に膨らんでいる。また、入院医療費の増加も目立つ。

 次に、34兆円余の医療費を誰が負担したかを見る。保険料が16兆7898億円(うち、事業主負担が6兆9241億円、被保険者負担が9兆8657億円)である。また、公費は12兆5271億円(うち、国が8兆4300億円、地方自治体が4兆0971億円)である。その他が4兆8190億円あり、うち患者負担が4兆7996億円である。公費負担は全体の36.7%(うち、国は24.7%、地方は12.0%)に達する。

 国民医療費を年齢階級別に推計すると、75歳以上が10兆0893億円と、全体の約30%を占める。70~74歳が4兆0847億円、65~69歳が3兆5698億円なので、65歳以上の高齢者の医療費だけで全体の52%に及ぶ。60歳以上で計算すると、国民医療費全体の60%余にもなる。

 ちなみに人口1人当たりの国民医療費(推計)は、75歳以上の高齢者の場合、平成19年度に79.42万円となっている。元気な老人も含めての平均でこれだけかかっている。70~74歳では59.01万円、65~69歳は45.54万円。年をとればとるほど病気になりやすいのは当然のこととはいえ、長寿化による医療費増は、それを誰が負担するのか、という深刻な問題を国民に提起する。

 保険料の引き上げか、自己負担割合の引き上げか、公費負担を増やすか。公費というと、天から降ってくると錯覚している人もいるようだが、公費の負担増にしても、どうやって賄うのか。そうした問題が控えている。医療費は増えて当たり前だという意見が強まっているが、誰が負担するのか、を考えると、いまの医療費の使われ方を洗い直し、ムダを徹底的になくすべきだろう。介護なども含めた広い視点で問題をとらえてほしい。

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