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2009年9月 1日 (火)

新政権とムダ退治

 事前に予想されていた通り、民主党が大勝した。勝って兜の緒を締めよ、ということわざがあるように、これからの100日ないし年末までの4ヵ月のうちに、国民の多数がなるほどと思うような成果を挙げれば、新政権はしっかりと根を下ろすことになるだろう。

 民主党の代表や代表代行あたりに次ぐ幹部の人たちはよく勉強しているようで、政策論議がしっかりしている。ネクスト・キャビネット(影の内閣)に顔を連ねる人たちとも重なるが、彼らに政治を任せることにほとんど不安はない。自民党のほうが、そういう点では人材の層が薄い。

 しかし、民主党が、社民党などと連立をはかるにせよ、政権をとったら、すぐに閣僚に就くはずのネクスト・キャビネットを“白紙”にしたのは問題がある。16日の組閣までの間、日本の政治はほぼ機能停止となってしまう。100人の議員を霞が関に送り込むというのはいいが、そうであればこそ、スタンバイの態勢にあるネクスト・キャビネットをまず先行して送り込むことが必要ではないのか。そのあたりの基本的な方針変更は、民主党の指導層内部における対立抗争の兆しのような気もする。

 国民の1人として大いに関心があるのは、民主党がマニフェストに書いた個々の約束を実行していくうえで、官僚たちをどう使うかだ。ムダの排除と言うが、何がムダなのか、1つ1つ個別政策の要不要を追及していくやりかたは正当だが、検討の時間を踏まえると、成果は自ずと限られる。

 一方で、7兆円余の財源をひねり出せという大きな枠組みだけを財務省に命じたら、同省は各省庁の予算要求額を一律カットするという答しか出せないだろう。道路建設などを大幅に減らすにしても、ゼロにするわけではないとしたら、優先順位をどうやって決めるのか。地方自治体の要求などもある。補正予算の修正および2010年度予算の編成で、民主党がどんな方針を打ち出すか、また、それを貫くためにどういう手立てをとるのか、興味深い。

 ところで、北沢栄著『亡国予算 闇に消えた「特別会計」』(2009年5月)を読んだら、いろいろ教わった。主要先進国にはない特別会計の制度をやめて、一般会計一本に統合すべきだと提言している。それがムダの体系を生む資金源を制度ごと葬る改革だと述べている。予算を個別に見直す改革では、時間ばかりかかって部分的改革にとどまらざるをえないと言う。

 また、同書によると特別会計の埋蔵金は約50兆円あるという。また、特別会計の不用額(使い残し)の規模は92年度以来、ほぼ一定しているから、「特別会計から毎年、少なくとも10兆円規模を一般財源もしくは国債の償還用に継続的に活用できる」という。

 このほか、「埋蔵金」がらみで独立行政法人や天下り公益法人にも相当の埋蔵金があると指摘している。独立行政法人には2兆円超、天下り公益法人には少なく見積もっても10兆円規模の埋蔵金があるという。

 民主党の主張するムダの削減とか、埋蔵金の活用は、この『亡国予算』の論旨と共通している。そういう点でも、本書の内容は興味深い。

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