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2009年9月24日 (木)

企業の先行き見通しはとても厳しい

 日本政策投資銀行の調査研究誌『調査』の第100号(09年9月)に大企業(資本金10億円以上)を対象とした「企業行動に関する意識調査」の結果が載っている。それによると、日本経済の今後の見通しは相当に深刻だ。

 売り上げが金融危機以前のピーク水準に回復する時期はいつかとの問いに対し、「2011年度」という回答が19%、「12年度以降」というのが22%もあった。製造業に限ると「12年度以降」は26%に及ぶ。そして、「回復しない」というのが製造業で13%、非製造業で14%もある。

 業種別にみると、非常に厳しい見方をしているのは輸送用機械と鉄鋼である。輸送用機械では「12年度以降」が45%、「回復しない」が21%。鉄鋼は「12年度以降」42%、「回復しない」が23%となっている。非製造業で暗い見通しを示しているのは運輸と建設・不動産である。運輸は「12年度以降」が22%、「回復しない」が17%であり、建設・不動産もそれぞれ23%と16%である。

 比較的、回復が早そうな業種であっても、危機以前のピーク水準に「回復しない」という回答が8%~15%もある。

 また、中期的な設備投資計画の修正状況については、「修正あり」63%で、その内訳は「2割以上減額修正(予定を含む)」が28%、「多少減額修正(予定を含む)」が24%、「総額は修正しないが、内容を見直した(予定を含む)」が9%、そして「増額修正(予定を含む)」が2%である。

 製造業をみると「2割以上減額修正」が45%に達する。顕著なのは、輸送用機械の71%、電気機械の55%、鉄鋼の53%、化学の40%で、食品は5%にすぎない。非製造業の場合、「2割以上減額修正」が16%で、業種別では卸売・小売の24%が目立つ。

 そして、中期的な設備投資計画額を減額修正する地域(3つまでの複数回答)をみると、日本が圧倒的に多い。製造業か非製造業かを問わず、また製造業の中の素材か加工・組立かを問わず、100%近い企業が日本における設備投資を減らすと回答している。北米、中国、アジア(中国、インドを除く)における設備投資を減らすとの回答もあるが、多くても20%弱にとどまっている。

 一方で、企業が中長期的に取り組んでいる事業分野は何かとの問いに対し、省エネ/新エネ/温暖化対策という回答が50%弱で一番多かった。太陽光発電、エコカーがそれに続く。以上と比べると割合はかなり低いが、福祉/医療/ヘルスケア、バイオ関連などが挙がっている。しかし、これらの有望分野に、日本経済全体をプラス成長させるだけの牽引力を期待するのは無理だ。

 したがって、このままでは日本経済の先行きは全体として縮小傾向をたどると予想せざるをえない。鳩山新政権の経済政策には企業の競争力の強化などという問題意識はないが、それでは結果的に、雇用も生活もいまより厳しい状況に追い込まれるのではないか。政策投資銀行の調査結果をみていると、そんな気がする。

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