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2009年10月21日 (水)

マクロ経済政策の欠如と影が薄い菅副総理

 1週間余、海外に旅行して帰ってきたばかりだが、新聞報道をみると、2010年度国家予算の編成で、相変わらず鳩山内閣のマクロ経済政策が見えない。各省の提出予算を合計すると、一般会計は95兆円になり、その他の要求事項を加えると97兆円ぐらいになるらしい。税収は40兆円を切りそうだから、要するに、財源は二の次、三の次にして、マニフェストに盛った歳出を最優先する大盤振る舞いになるようだ。

 予算編成の前提である、日本経済の成長率はどのぐらいが望ましいか、それを達成するには、政府の予算規模はいくらぐらいが適切かといった話はほとんど国民に伝わってこない。デフレになりつつあるから、景気刺激策が必要という話なら、大型予算を組むのもわからないわけではない。それでも、12日のブログにも書いたことだが、これはあくまで緊急事態だということを国民によく理解してもらうことが絶対に必要である。

 この予算編成の過程で不思議なのは、マクロ経済の視点から予算編成方針を打ち出すべき立場の菅直人副総理・国家戦略担当・経済財政政策特命担当大臣がほとんど何も発言していないことである。菅副総理は単年度予算方式の修正を口にしているものの、2010年度予算の編成に対して、マクロ経済の観点からどうあるべきか、語っていない。予算こそ国家権力の権力たるゆえんであるのに、担当閣僚の存在感が全くうかがえない。彼の手足となるべきスタッフもいまだにそろっていない。

 それはなぜなのか。一つには、菅氏がマクロ経済のみならず経済政策に全くの素人であることがあげられる。何をすべきかが、わかっていないということである。いま一つには、平野官房長官―小沢幹事長のラインで、菅氏を副総理・国家戦略担当だとか、経済財政担当とか、カッコいいネーミングのポストにまつりあげて、官邸に対する菅氏の影響力を弱めようとした結果だと思われる。岡田克也氏を外相にして、国内での影響力を削いだのと同じことである。鳩山政権を安泰にするための民主党内の権力争いがマクロ経済政策の欠如につながっているというわけだ。

 日本郵政のトップ交代で、斎藤次郎元大蔵省事務次官が新社長に決まった。福田内閣当時、民主党の小沢代表が自民党との大連立をはかろうとしたことがあるが、その裏に斎藤氏の暗躍があったといわれる。斎藤氏は細川政権時代に事務次官であり、今日にいたるまで小沢氏に最も近い官僚OBといわれる。日本郵政のトップ人事には、間違いなく小沢氏の意思が働いている。

 鳩山政権は自民党政権ができなかったことを実行しようとしている点で高く評価される。だが、その一方で、この日本をどういう国にしたいと考えているのか、それをどうやって実現するのか、という総論および各論がよくみえない。郵政改革のご破算も、なぜそうするのかがよくわからない。

 経済界や金融市場(マーケット)を安心させる経済政策を打ち出さないと、経済の低迷から抜け出すことは難しいのではなかろうか。

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