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2009年10月23日 (金)

脱財政赤字で、日本よりはるかに真剣なEU

 日本経済新聞によれば、EUのユーロ圏16ヵ国の2008年における財政赤字はGDPの2%だった。また、政府債務残高のGDPに対する割合は69.3%だったという。最近の日本は年間財政赤字がGDPの10%近い。政府債務残高の対GDP比率も170~180%ぐらいに達している。両者を比べると、日本はフロー、ストックとも、ユーロ圏とはかけ離れたひどい財政危機状態にある。一目瞭然、ユーロ圏諸国の財政は日本よりはるかに健全である。

 そのEUが、20日開催された加盟27ヵ国の財務相理事会で、2011年から財政再建に着手するとの原則について合意した。EUの景気が自律的に回復することが条件とされる。そして、21日付けの日経新聞によると、財政赤字が急速に拡大している加盟国は2011年を待たずに財政再建に取り組むこと、また2011年以降、毎年の財政赤字をGDP比で0.5%以上削減することで合意している。

 まだ、EUの経済も金融危機の影響から脱していないが、にもかかわらず、EUが財政を健全化するための出口戦略を2011年から実施するという方針を決めたことに注目したい。

 第一次世界大戦後のドイツで天文学的なインフレが起き、経済・社会が破壊的な混乱に陥った。そうした状況の中からアドルフ・ヒトラーが現われた。EUが財政悪化を恐れる背景には、そうした歴史の記憶があるように思う。

 日本は第二次世界大戦後の激しいインフレで国民生活を苦しめたが、その歴史の教訓は忘れられた。戦後の高度経済成長が終わった頃から、好不況にかかわらず、国債発行による財政ばらまきを続けてきた。このたび与党と野党が入れ替わったが、借金によって財政の大盤振る舞いをする竹馬(たけうま)財政は変わらないようにみえる。

 国債の市場取引価格が大きく下がる(つまり長期金利が大きく上がる)と、財政危機が表面化する。この市場価格(金利)が暴落(金利暴騰)しないうちは財政赤字がいくら大きくなっても大丈夫だというような“他力本願”でいつまでも安泰であるはずはないのである。

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