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2009年11月 3日 (火)

「北京-東京フォーラム」で、中国側に憐れまれた日本

 11月1日から3日まで中国・大連で開催されていた「第5回北京-東京フォーラム」(言論NPO・中国日報社共催)は、公開された議論を読むと、なかなか興味深い。その中で、特に印象に残った発言を紹介する。中国がGDPで日本を抜き去ることで日本が大きな失望感を抱いているのかもしれない点に関連してのものだ。

 呉健民中国外交部国際諮問委員会委員は「日本はアジア第一の座から転落しようとしていますが、しかし、中国は発展していかざるをえないのです」、「日本が没落した国だと(自らを)考えてしまうのは、気持の問題でしょう。そういった気持が国際問題を引き起こすのだと思います。日本の気持の整理について、私たち(中国)もお手伝いしたいと考えています」と語っている。

 これは、山口昇防衛大学校教授が「日本は経済が下降気味であり、そういう内向きのときこそ排外主義が出やすい」と発言し、それを受けて、李秀石上海国際問題研究所日本研究室主任が「中国は日本の自信増強の手助けをしていきたい」と述べたことと関係していると思う。日の出の勢いの中国に、落ち目の日本を思いやる余裕が出てきたというか、日本が過去の過ちを繰り返すおそれがあるので、それを未然に防ぎたいというのか、あるいは、それらの両方を意味しているのかもしれない。

 もう一つあげると、王晨国務院新聞弁公室主任のあいさつを代読した朱英コウ(王ヘンに黄)中国日報社前編集長による「日本政府からの円借款は、中国の近代化に多大な貢献をしてきました」という趣旨の発言である。日本は北京空港建設はじめ多くのプロジェクトに巨額の円借款を供与してきたが、中国側は過去の償いとみなしたのか、それに積極的に感謝の意を表することはなかった。それだけに日中共同のフォーラムのような公けの場で円借款について「多大な貢献をした」と評価したのは、中国政府の自信とゆとりの表れではないかと思う。

 私自身、10月に北京、上海、杭州などを回って最近の中国の一部を見てきたが、その発展のレベルと勢いには率直に言って驚いた。それと比べて、日本はなんと沈滞していることかと痛感した。鳩山新政権が日本の再生に成功することを願うが、失敗したときのことを考えると、北京-東京フォーラムにおける中国側の発言はたわごとと片付けられないような気がする。 

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