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2009年11月26日 (木)

富士通副会長の講演から教わったこと

 11月25日に東京で開催された富士通環境経営トップセミナーを聞いた。伊東千秋副会長の講演「持続可能な社会の実現に向けたICTの貢献」には期待していなかったが、中身はよかった。

 伊東氏によると、ことしのダボス会議では、世界金融危機のあとはどうなるのか、という講演が多かったが、あるNPOの代表は「21世紀は意思の時代」と述べて大変な拍手だったという。つまり、どうなるのかを予想して、それに対処しようという発想ではなく、どういう社会にすべきか、という問題の立て方をしようというものだ。

 米国のゴア元副大統領が、いまは経済危機、温暖化の危機、エネルギー安全保障の危機という三位一体の危機に直面していると言った。伊東氏は、国内に石炭のない韓国は、CO2を出せば出すほど貿易収支の赤字が増えるから、持続的発展のため脱エネルギー・石油というグリーン・グロウスをひたすら目指す。インドは1人あたりCO2排出量の少なさで世界一を目指すという。そして日本はエネルギー自給率が4%しかないので、エネルギー安全保障を口にしないと語った。

 一方、鳩山首相は90年比25%減とともに、途上国への資金援助を提案したが、その際、測定可能、報告可能、検証可能な形でのルールづくりを求めた。これはカーボンが通貨になることを意味すると伊東氏は言う。カーボンが通貨になるとすれば、産業構造は全く変わると指摘した。それを踏まえ、富士通として、もっと農業に関わっていくとし、ICTを用いて農業者の暗黙知を形式知にするといった取り組みをすることを表明した。

 また、産油国なのに風力発電に力を入れ、その供給が17%を占めるデンマークでは秒単位で需給がバランスできる火力発電の仕組みができているとし、需要に応じた動的料金で電力消費をできるだけ削減するスマートメーターがあると紹介した。例えば、冷蔵庫に付けると、料金の安い時だけを選んで冷やすという。これは日本の家電メーカーの製品とは違っているから、日本メーカーは新たな対応が求められることを意味しよう。

 同じセミナーで、ダイキン工業の藤本悟CSR・地球環境センター室長が「環境なくして発展なし」という題で講演。動作が時代の潮流に乗るという「ウエーブライダー」から、潮流を作りだす「ウエーブメーカー」に変わったと述べていた。これも、これからの日本および世界を考えるうえで大事な視点だと思った。

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