« COP15で日本は攻めの姿勢か守りの姿勢か | トップページ | 温暖化対策をめぐる意見の大きな開き »

2009年12月11日 (金)

不気味な小沢民主党幹事長の行動

 民主党の小沢一郎幹事長は党所属の政治家、議員に対し、選挙区で辻立ちせよと求める。そして、自らも、あちこちを回って応援演説などをする。だが、国民全体に向かって自らの所信を表明することはまずない。新聞などマスメディアからは、彼が日本の将来をどう考え、どのような政治をしようとしているかが国民には伝わってこない。したがって、彼の行動や断片的な発言から推し量るしかない。

 10日、小沢幹事長は民主党の国会議員140名余を含む約600人を率いて北京を訪れ、中国共産党の胡錦濤主席と会った。前代未聞の訪中団である。胡主席が突っ立っているところに、団員一人ひとりが歩み寄って握手する。その繰り返しは、あたかも中国の皇帝のところに伺候する属国の支配者たちのようにみえる、そう評した知人もいる。

 小沢氏は胡主席との会談の中で、来年の参議院選挙について「兵を募り、鍛え、勝利をめざしている」と述べるとともに、自らを「野戦軍の最高司令官」だと称し、「解放戦(参院選)が終わるまではそれに徹したい」(11日付け朝日新聞朝刊)と語ったという。相手に合わせての発言だろうが、憲法第9条を持つ日本の政治に大きな責任を持つ者としてはふさわしくない表現である。

 団員の政治家は小沢チルドレンを含め、小沢派とも言うべき政治家がほとんどのようだ。政府と党は別だとして鳩山政権とは一線を画したつもりかもしれないが、党内党のような公然とした分派活動にもみえる。いずれ民主党が割れるとすれば、小沢派とそれ以外ということになるのではないか。

 小沢幹事長は北京からソウルに回り、韓国の大統領に会う。しかし、約600人を連れていきはしない。なぜ、最も近い隣国の韓国には大訪問団を引率していかないのか。そして、鳩山首相率いる政権が沖縄の基地移転問題であいまいな姿勢のため米国との関係をおかしくしている一方で、小沢幹事長が党外交で中国との関係を強めている。それらの一連の動きが日本の将来にどう響くのか。大いに気になるところだ。

 小沢氏の意向で、民主党政権は陳情の受け付けを党に一元化した。行政官庁や大臣など政務三役への陳情は認めない。したがって、政府への陳情は小沢幹事長がすべて取りまとめ、政府に申し入れるということになる。問題は、党から政府への要望については、事業仕分けのように国民の目にさらされることがない点だ。日本テレビで村尾信尚ニュースキャスターがそれを指摘し、同様な仕分けを求めていたが、賛成だ。

 音楽指揮者の小沢征爾さんが直接、小沢幹事長に予算の確保を陳情していたが、党から政府への要望という形で、こうした著名人の陳情や、選挙応援などを約束する各種団体・組織の要望には予算をつけるというのでは、自民党政権のときと何ら変わらない。党は政策には口をはさまないと小沢幹事長は言っていたが、果たして、どうか。

 民主党中心の連立政権は、子ども手当など公約の実現に熱心だが、未曾有の財政危機には目もくれない。財務大臣を除くと、カネがなければ国債を増発すればいい、という閣僚ばかりのように思える。それはまた、参院選挙で勝つことしか頭にない小沢幹事長の意向に誰も逆らえないせいもある。

 民主党政権はどうやら「党高政低」が特徴のようだ。そこで連想するのは、中国、ベトナムなど社会主義を標榜する国が典型的な党高政低の一党独裁国家であることだ。小沢氏が何を考えているのか知るよしもないが、来年の参院選挙で勝ち、社民党などとの連立が不要になれば、民主主義国家の日本を実質的に改変し、一党独裁的な政治体制を確立しようとするのではないかとすら危惧する。考え過ぎだよと言われるかもしれないが、小沢氏の行動には不気味さを感じざるをえないのである。 

|

« COP15で日本は攻めの姿勢か守りの姿勢か | トップページ | 温暖化対策をめぐる意見の大きな開き »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/46993500

この記事へのトラックバック一覧です: 不気味な小沢民主党幹事長の行動:

« COP15で日本は攻めの姿勢か守りの姿勢か | トップページ | 温暖化対策をめぐる意見の大きな開き »