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2010年1月26日 (火)

政府の国家戦略室が財政再建策の検討会を発足

 政府の国家戦略室は25日に「中期的な財政運営に関する検討会」の初会合を開いた。財政再建の中期的な目標を設けるのと、11年度からの3年間の予算の大枠をコントロールする中期財政フレームをつくるのを目的としているという。検討会の組織自体は前政権までの経済財政諮問会議と似ているような気もするが、7月に参議院選挙を控えているため、検討会が財政再建策にどこまで具体的な内容を盛り込むことができるか疑わしい。

 とはいえ、2010年度末に、国の借金(国債、借入金、政府短期証券)が973兆円、国民1人当たり763万円にもなろうとしているのだから、政府が財政の健全化に本気で、かつ早期に取り組むことは絶対に必要だ。

 そうした取り組みを促すかのように、格付け会社のスタンダード・プアーズ(S&P)が26日、日本の長期国債のアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。その意味は、中期的(6ヵ月ないし2年)に格付けが下がる可能性があるということだ。

 S&Pの発表は「日本の経済政策の柔軟性が縮小しており、財政圧力・デフレ圧力を食い止める対策がとられなければ、格下げになる可能性があるとみて」いるという。

 日本はS&Pの格付け先ソブリンのなかで一般政府の債務負担がもっとも重いグループに属しており、しかも、いまの政権の政策では、財政再建がS&Pの従来の予想より遅れる模様だとしている。一連の社会政策は中期的な経済成長見通しの向上を見込みにくいものであり、根強いデフレ圧力を勘案すると、一般政府債務残高は今後数年でGDPの115%に達する可能性が高いという。

 S&Pは「高水準の対外純資産残高、準備通貨としての円の地位、世界的な金融危機に対する耐性を示した金融セクター、多様化された経済」といった強みを評価して格付けを据え置いたが、「重い債務負担と人口の減少に鑑み、経済指標が弱さを示したまま、中期的な成長戦略がとられなければ、格付けを1ノッチ(段階)引き下げる可能性がある」としている。

 政府は税と社会保障の共通番号制度の導入に向けて近く検討会をスタートさせるし、特別会計の事業仕分けなどでムダを排除するという。また、成長政策にも目を向け出した。こうした改革が打ち出され、国家財政の悪化に歯止めがかかれば、格付けは現在のままで安定するだろう。しかし、大盤振る舞いを優先する鳩山政権に財政改革が実行できるだろうか。そこが最も心配な点だ。

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