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2010年1月23日 (土)

2010年度予算(一般会計)に見る財政悪化

 政府が22日に提出した2010年度予算案の中身を見ると、税収が大幅に減るのに、子ども手当などで歳出規模が膨らむため、税収をはるかに上回る新規国債と、特別会計からの剰余金召し上げなど“埋蔵金”とでカバーしている。

 予算の規模は92.3兆円。歳入面は、税収が37.4兆円しかなく、国債44.3兆円、その他収入10.6兆円でまかなう。国債依存度は48.0%に達する。一方、歳出面は、国債費(元利払い)20.6兆円、地方交付税等17.5兆円、一般歳出53.5兆円である。一般歳出のうち、社会保障関係費が27.3兆円と半分ちょっとを占める。その中で、医療費が9.5兆円である。公共事業関係費は5.8兆円で、09年度当初予算より1.3兆円少ない。

 国債の累積で、10年度末の普通国債の残高は637兆円程度となり、10年度の一般会計税収の17年分に相当する。国民1人当たり約500万円に及ぶ。一般会計の利払い費は約9.8兆円だが、これは極端な低金利が続いているおかげだ。長期金利が高かった1991年度(6.1%)並みの金利水準になったとしたら、利払い費だけで40兆円を超す。税収をすべて利払いに充てても足りない計算である。

 国および地方の長期債務残高は10年度末に862兆円程度(うち地方は200兆円)となり、GDP比が181%に達する。日本の財政悪化の度合いは先進国で一番だ。

 このように、鳩山新政権の10年度予算によって、日本の財政危機はさらに深まる。その先に明るい展望は皆目、見えない。

 先日、水野和夫氏の記者会見を聞いた際、財政破綻について警告を発していた。「日本ではデフレと超低金利とが共存している。しかし、中国の元の自由化が10~15年先に起きると、日本からの資本逃避が起きて、日本の長期金利が上がり、財政破綻する。日本が財政破綻を避けるには、10年以内に新発国債をゼロにするという目標を早く出すべきだ」と。

 いずれにせよ、現政権がデフレ脱却と財政健全化との2つの課題を一緒に解決しなければならないという問題意識を持ってくれないと将来の展望が拓けない。国会は補正予算案に続いて10年度予算案の審議に入る見通しだが、与野党とも、当面の景気対策と中長期の財政再建策とを踏まえた議論をしてほしい。

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