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2010年2月 7日 (日)

財政危機の深刻さを示す霞が関の2つの推計

 カナダの北東部イカルイトで開催されたG7で、初参加の菅直人財務相は日本について「公債残高でいえば、オリンピックで金メダルが間違いなくもらえる水準だ」と自嘲したという。それほどに日本の財政は悪化している。

 この財政悪化の実態を示す推計値を内閣府が5日に発表した。国と地方の基礎的財政収支(PB)の赤字が2009年度は40.6兆円と過去最大となり、その名目GDP比は8.6%とやはり過去最高となる。国債の発行や償還・利子を除いて、政策経費をどれだけ税収でまかなえるか否かを表すPBは2007年度にマイナス6.4兆円にまで改善したが、その後、悪化に転じ、09年度に急激に悪化している。

 推計によると、2010年度はPBの赤字が33.5兆円と依然、高水準で、その名目GDP比は7.1%に及ぶ。

 また、財務省が4日に、2010年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算を発表した。資料は2009年度~2013年度の5年度の歳出と税収等、および差額を表にしたもの。

 これによると、歳出は増えるが、税収は微増にとどまる。その他収入は2010年度は“埋蔵金”取り崩しで10.6兆円に及ぶが、2011年度以降は4兆円前後と推計している。その結果、歳出から税収等を差し引いた資金不足額は2010年度44.3兆円、2011年度51.3兆円、2012年度52.2兆円、2013年度55.3兆円と次第に増える。これを国債発行で調達すると、国債依存度が50%前後に達する。

 この試算は「一定の経済前提を仮置きした上で、2010年度予算における制度・施策を前提とした後年度負担額推計等に基づき」機械的に試算したもので、「2011年度以降に実施の可能性がある新規施策については加味していない」という。つまり、子ども手当の満額支給や農家の戸別所得補償完全実施などによる歳出増は計算に入れていない。したがって、将来の予算編成で、さらなる歳出カットや消費税引き上げなどが行なわれないと、財政赤字の累増はもっと速いピッチとなる。

 以上、政府が2つの推計値を発表したのは、財政健全化の取り組みが行われないままに国債発行残高が積み上がっていくと、いつ財政破綻が起こるかわからない、いまや危険水域にあるというマクロ経済官僚の危機感の表れと受け止める。菅副首相兼財務相は世界が日本の財政をどう見ているかを理解し、一日も早くデフレ脱却と財政再建への道を踏み出すべきだ。

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