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2010年2月21日 (日)

特別会計は主計官がほとんどノーチェックとは

 最近は「埋蔵金」が話題にのぼらなくなっているが、菅正治著『霞が関埋蔵金』(2009年9月刊、新潮社)を読んだら、国家財政の特別会計について教えられることが多かった。最も驚いたのは、財務省主計局の主計官が各省庁から提出された特別会計の概算要求について、その骨格すら知らないという指摘である。すべての主計官がそうだとは書いていないが、特別会計については部下任せで、査定が甘いというのは本当のようだという。

 また、本書では、主要先進国のなかで、一般会計の規模よりも特別会計のほうが大きいのは日本だけであり、実態はわかりにくく、無駄遣いが多いと言えそうだという。そして、財務省が不必要な特別会計の廃止に向けて動かないのは、とても不思議だと述べている。

 特別会計改革の集大成とされた2007年3月成立の特別会計法は、「特別会計を所管する各省庁の抵抗はやはり強かったため、最終段階では見事なほどに改革は骨抜きとなって」いる。例えば、積立金の必要基準を公表するとの義務付けが抜け落ちた。このため、剰余金を必要以上に特別会計内にためこみ、一般会計への繰り入れをしない、といった問題があるという。

 全28特別会計の07年度決算剰余金は43兆円にのぼった。このうち、国債整理基金など3つの特別会計は一般会計への剰余金繰り入れはできないことになっている。それを除くと10.6兆円になるが、そのうちの1.8兆円しか一般会計に繰り入れられなかった。残りは翌年度の歳入や積立金に回ったが、その中の2兆数千億円は一般会計に繰り入れ可能だったと指摘している。

 特別会計の積立金は2007年度末で205兆円。1989年度末には82兆円だった。また特別会計の資産残高は単純合計では07年度末に635兆円にのぼる。資産から負債を差し引いた正味財産は101兆円ある。しかし、財務省は以後、資産、負債の内訳を公表しないという。ディスクロージャーに関して、財務省は消極的であることがわかる。また、各省庁のディスクロージャーへの姿勢はまちまちだという。

 外国為替特別会計と労働保険特別会計の雇用勘定の積立金を取り崩せば、20兆円以上の埋蔵金が発掘できるとか、08年度の剰余金のうち、新たな埋蔵金は9兆円ぐらいあるといった著者の指摘には、異論もあるかもしれない。いずれにせよ、もっと特別会計の財政実態を詳細に開示することこそが、いま求められているのではないか。

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