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2010年3月14日 (日)

「動物園生活が長くなると、ジャングルでは生きていけない」

 12日に東京経済大学主催の「次の10年」を考えるシンポジウム「東アジア時代の日中経済」(東京・六本木ヒルズ)を聞いた。中国経済が急成長を続けているのに対し、日本経済は停滞したまま。その違いが論議のテーマの1つになった。

 安斎隆セブン銀行代表取締役社長は「市場経済は失敗を伴う。そこで公(おおやけ)が出る。立ち直ったら、また市場経済に戻す。それが市場経済だが、日本では、失敗を認めないし、対策もチビチビとしかやらない。そのため、経済が活力を喪失する」と述べた。それに加え、「公の介入が長期に、固定的に行われるので、皆、公の介入を待つようになる」、「国債を減らす、低金利を上げるのが必要」、「不平等是正は最初は同世代間でだった。それが大量国債発行に依存して、後世代に債務を残すようになった。いまからでも遅くはない。是正しなければならない」などと語った。

 また、「日本では飢餓感がない。政府が手を差しのべる。役所とか安全な企業に就職させたがる」、「日本では失敗するとバカだ、チョンだといわれる。挑戦を褒めねばいかん。マスコミも悪い」、「韓国では大統領が国民に対し、一人ひとり自立していけと言い、小学校で英語とパソコンを学ばせている」とも述べた。

 関志雄野村資本市場研究所シニアフェローは、中国の改革開放が漸進的改革、即ち、実験から普及へ、部分的改革から全体の改革へ、既得権益を尊重しながら易しいものから難しいものへというやりかただったと説明。「旧体制の改革より新制度の育成に力を入れる」という特色があると述べた。そして、ここから得られる日本への教訓として「悪平等を助長する制度を改め、努力する人に夢を与えるべきだ」と強調した。

 同氏は、日本に留学した中国人が日本社会に満足し、帰国しても起業する人が少ないことを紹介し、「動物園生活が長くなると、ジャングルでは生きていけない」との比喩を挙げた。

 シンポジウム後、パーティで会った、中国事情に詳しい公認会計士は、①中国の製造業などは日本よりも競争力がある分野がいくつもあるのに、日本企業の中堅幹部の多くは中国に行ったことがないなど、中国の経済産業事情に疎い、②中国では、海外の大企業で働いた人たちや留学生が次々に国に帰って起業したりしている、③日本の企業も、経済関係団体も、トップが年寄りばかりだが、40歳、50歳代に若返らないと、国際競争についていけない、④日本のメディアは内向き、欧米中心で、中国の経済関係の情報をほとんど報道しない、などと訴えていた。言われてみると、確かにそうだと思ったのは、中国の企業会計ルールや公認会計士・監査法人に関する報道がなされたか、ほとんど記憶にない。

 広大な国土、多数の民族、急速に拡大する経済・産業・企業、消費生活、環境破壊などなど、中国の全体像を的確につかむには、日本のメディアはいまの何倍もの記者を中国に配置する必要がある。それは日中関係を深め発展させるために欠かせないと思う。

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