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2010年4月13日 (火)

支持率低下の背後にある民主党の二重構造

 原口総務相が12日、日本記者クラブで会見し、自らが先頭に立っている地域主権改革について話した。国家の主権を地方に移すのではない。地域の資源を最大限に利用して地域の自給力と創富力を高める地域主権型社会への転換を図るとし、その実現の工程表(原口プラン)を示しつつ、各論を展開した。

 「社会主義的だと言われるが、いまやらねばならないことをやっているだけ。自由の改革、責任の改革を進める」などとも述べた。

 原口大臣の話は縦横に跳び、かつパワーポイントを使って結構、早口でしゃべるので、予備知識が不足している私は正直言ってついていけなかった。断片的な紹介になるが、「義務付け、枠付けの見直しは、補助金が付いているところが進まない」、「これまで国は依存と分配で地方を支配してきた。地方議会は増減税を自ら決めることができない仕組みになっている」、「医療法は医療の質をチェックすることは何も書いていない。だから、重複受診が起きる」、「地域主権改革をすれば、地域が間違ったリーダーを持つと、格差が出る」、「埼玉県は上田知事が民主党の考えるものを実現している。犯罪が減ったし、公務員のパーフォーマンスは最高、企業の倒産は激減した」などという言葉が印象に残った。

 内閣支持率や政党支持率が下がり続けていることに対しては、「より深刻に考えるべきだ。古い政権との違いを国民は実感できていない。我々は新しいパラダイムをやろうとしているが、それが国民に伝わっていない」、「308議席をいただいたその瞬間から劣化が始まる。新しいダイナミズムを入れていかねばならない」と語った。

 2週間前の3月29日、同じ日本記者クラブで行なった枝野行政刷新相の会見では、事業仕分けがテーマだった。昨年の事業仕分けは民主党の評価を高めたが、これは「おカネの使い方を問題にしたもの。目的達成につながっていないものはやめるというもので、目的の優劣を問うものではなかった」と述べた。

 また、この事業仕分けでは、挙証・立証責任が役所の側にあるという意識転換が行われたと言う。「野党時代、税金のむだだと主張すると、むだであるとの立証を求められた。しかし、本来は、おカネを使う役所側が有用だと立証すべきだ」。

 近く事業仕分けの第2弾、独立行政法人と政府系公益法人の事業仕分けが行われる。かつて行われた外郭団体改革は英国のエージェンシーをもとにしたものだが、「制度論から入ったため、1つのツールにまとめて入れた。結果として帯に短し、たすきに長しとなった。これは失敗だった」と言う。したがって、独立行政法人通則法の廃止を終着点として考えており、公務員制度改革とセットで改革を進めると述べた。

 行政のありかたを変えようと意気込む枝野大臣は「いま革命の第1期」だと述べた。そして、内閣支持率や政党支持率の低下の原因の1つとみられる政治とカネの問題について「小沢幹事長、鳩山首相の説明に国民が納得しなければ、それは説明が十分ではないということだ。政権が相当な知恵を働かさねばならないが、私には目下、その知恵がない。ただ、2人とも、私以上に考えているはずだ。彼らは政権交代の意義をわかっている」と語った。

 原口、枝野の両大臣とも、前政権までの政治をがらりと変えようとしている意欲を感じさせる。その方向は大筋間違ってはいないだろう。問題は、政治資金の不透明、財政破綻に向かうばらまき、普天間基地の移転問題に加えて、「コンクリートから人へ」や高速道路無料化の公約に反する逆走、あるいは鳩山首相らの発言のゆらぎなど、国民の信頼を裏切るような出来事が多いことだ。その多くは参議院選挙対策だと思われる。せっかく多くの閣僚がそれなりに改革に向けて奮闘努力しているのに、それを民主党および政権のリーダーたちは帳消しにしているように私にはみえる。

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