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2010年4月 5日 (月)

老いた平沼、与謝野氏らの旗揚げ

 与謝野馨衆議院議員が自民党を離れ、平沼赳夫衆議院議員とともに新党を結成するという。しかし、2人はともに70歳を越えていて、テレビで見ると、老人もいいところだ。新党結成で勝負するには年寄り過ぎている。まあ、企業人で、70歳過ぎて会社を興すというのを想像してもらえば、今度のチャレンジがどの程度のものか、わかろうというものである。

 与謝野氏とも、平沼氏とも、少人数の夜の会合で複数回会ったことがある。自民党の政治家の中では2人とも抜きん出ていたが、かなり思想的には違っていた。平沼氏はリーダーにふさわしい人だが、右寄りの政治思想。小泉郵政改革に反対して自民党を飛び出したものの、孤立していた。

 他方、与謝野氏の頭の良さや教養には感心するばかりだったが、同氏は日頃、地元での活動をろくにせず、住民からは頭が高いといわれ、選挙は強くなかった。また、与謝野氏の言動をフォローしていると、結構言うことが変わっていく。霞が関からの情報に強いのはいいが、官僚の判断を受け売りするので、間違うことも少なくない。米国に端を発した世界的な金融危機に対して、日本はほとんど影響を受けないなどと言ったりした。

 2人の共通するところは徒党を組まないことである。その2人が新党を結成するというのだから、相当の覚悟をしていることはわかる。しかし、民主党に裏切られたとか、期待はずれだったとか思っている選挙民や、古い自民党の殻を脱ぎ捨てていない今の自由民主党に魅力がないと思っている選挙民を、新党が引き付けるだけの魅力を備えることができるだろうか。

 「政権交代など一見変化があるように見えるが、世界(特にアジア)の急激な変化とスピードに比較すると、ここ10年の日本の状況は静止、逆行、内向しているようだ」(「経済Trend」 4月号)と石倉洋子一橋大学教授が書いている。「見たくないものを見ようとしない、厳しい決断を先送りするのではなく、いかに厳しい現実であろうが、課題を正面から体感し、見極めて、それに対する解決策を考え、徹底して実践していく覚悟がなければ、日本が忘れられた国になるのは時間の問題である」とも。

 そうした危機感、焦燥感を持って、日本の再生を図るグランドデザインを提示するような新党を2人は考えているのだとすれば歓迎だ。しかしながら、新党の予想されるメンバーからは、激しく変貌する世界情勢を的確に認識し、大きな転換を図ろうとするリーダーシップは期待できそうにない。そうであれば、参議院選挙後に起こりうる民主党を含めての政界再編に期待するところ大である。与謝野、平沼氏らの新党結成がその呼び水となるのなら、それなりに意義深い。 

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