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2010年5月29日 (土)

民主党に「国家財政を考える会」ができた

 鳩山内閣が普天間基地の問題をどう着地させるかがニュースの焦点になっている時期の今月26日、民主党内の議員連盟「国家財政を考える会」が初会合を開いた。報道の扱いは小さかったが、重視すべき動きだと思う。

 代表世話人は玄葉光一郎衆院議員(衆院財務金融委員長)で、出席した衆参議員は115人。ほかに代理出席者が65人いたという。ギリシャの財政破綻に端を発した世界的な経済不安の中で、日本の財政危機に目を向ける与党政治家が結集したという意義は大きい。

 普天間基地問題で国民の信を決定的に失った鳩山首相が居座りを続ければ、参議院選挙で民主党は相当の痛手をこうむる可能性が大だ。選挙の前かすぐあとに、鳩山首相が辞任せざるをえない局面がありそうだ。そういう情勢を踏まえ、「国家財政を考える会」を民主党内の勢力争いと関係づける見方もあるが、それよりも、財政問題の深刻さが民主党議員にようやく浸透してきたと理解するほうが素直だろう。

 「国家財政を考える会」の趣意書は、財政破綻のおそれがあることも否定できないとして、いまこそ財政規律を取り戻す必要があると指摘している。そして、財政の健全化と成長戦略、社会保障制度の再構築は密接不可分の課題だと述べている。

 玄葉氏は自らのホームページで、次の総選挙までに①3%の名目経済成長を達成、②ぎりぎりまでの無駄削減努力、③年金・医療制度の抜本改革および税制の抜本改革(消費税の引き上げを含む)の制度設計の完了、の3点を行い、総選挙を終えたら、直ちに税制の抜本改革を実行することが必要不可欠と言っている。

 しかし、「国家財政を考える会」が、鳩山政権のマニフェストにこだわって、次の総選挙までは消費税を上げないという立場を守っている点は物足りない。財政赤字問題に直面するEU諸国の中には、すぐさま社会福祉関係の歳出削減や増税に踏み出す国が少なくないのである。

 日本はいまでも危機的な状況にあるのだから、参議院選挙で財政健全化対策を正面から掲げて信を問うのが政党・政治家の責任である。普天間問題のように、国民においしいことを言えば選挙に勝てるというような、問題を先延ばししたり、隠したりする発想は、国民が愚かだという前提に立っているとしか思えない。

 また、「国家財政を考える会」に集う議員の皆さんは、議員報酬の削減や政党助成金の削減など、隗より始めるべきである。それなくして、国民に負担や犠牲を強いることはできない。

 国家財政の深刻さは与党のみならず野党も十分承知している。それゆえ、与野党こぞって財政健全化には賛同するはずだ。党派を超えて、財政再建議員連盟をつくる動きが出るのを期待する。同様に、年金制度など社会保障制度も、与野党がもっと国家的な見地に立って、長期安定的なものにする必要がある。

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