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2010年5月 2日 (日)

坂野元大蔵省証券局長が財政改革を訴える

 大蔵省証券局長、日本化薬社長などを務めた坂野常和氏から「我が国の財政は大丈夫か!」と題する文書が送られてきた。

 「これまで国債の安定消化の基礎と考えられてきた1450兆円の家計金融資産も、負債400兆円を差引けば残りは1000兆円余りであり、それは預け先の金融機関や証券会社等を通じて、大方は国債等の長期債務の消化に充てられていますから、依然経済大国であるとはいえ、日本の余力はかなりギリギリに来ていると考えるべきでしょう。このような状況の下で民主党は4年間消費税を上げないというが、果たして大丈夫なのか」。

 「今、大切なことは、歳出削減を第一にしつつも税制改革も同時併行して進め、危機を脱する姿勢を示すことではないか、と私は思います。それでないと市場や格付機関がしびれを切らしてしまわないか、心配で仕方ありません」。

 坂野氏は友人の五十畑隆氏(産経新聞客員論説委員)からいただいた論文を多くの人に読んでもらいたいと、そのコピーを添付している。その論文は「財政再建を最高の政策課題に――目標年次を設定し消費税の増税を――」というものである。以下に、五十畑論文のさわりを紹介する。

 「周知のように日本の財政は、すでに破綻同然であり現状のまま放置すると数年もへずに国債価格ひいては円相場が大暴落し、国民経済が大混乱し大打撃を受けるはずである。‥(中略)‥国民の側からの積極的な改革実行のための提案・要求が必要である」。

 「民主党政権は間もなく2011年度予算編成の基本方針づくりに着手するが、その際まずは国債発行額を国債の償還と利払いとに充てる国債費(2010年度は20兆6491億円)以下と決めるべきである。いわゆるプライマリバランスの回復である。それを実現してこそ政府が財政再建に踏み出した、ということになる」。

 「現状で2012年度に財政再建を実現するのは不可能である。そこで次の総選挙の年となるだろう2013年度、つまり3年後に実現すると公約してはどうか」。(前の項とこの項とのつながりがいまひとつわからない=引用者)

 財政再建をいかに進めるべきか。「まず一にも二にも、財政支出を削減することである」、「最大限の歳出削減の努力なしには増税など不可能であることも国民は知っている」、「2011年度予算の編成では、歳出の全項目について前年度比マイナスとしなければならない」、「昨年夏の総選挙で約束したマニフェストによる歳出増を伴う政策を廃止または抜本的修正をし、歳出増を抑え込めば良い」。

 「政治家は及び腰であるが、実は多くの国民は歳出削減と埋蔵金発掘に全力をあげたとしても財政再建が不可能である、と正しく理解している」、「政府は、いますぐに増税を伴う税制改革を断行しなければならないのである」。

 福祉政策や法人税減税、地方に消費税収入の一部を回すことなどを踏まえると、「段階的な増税になるとしても消費税率は15%以上に上げざるをえない、と政治家よりも国民が認識する必要があろう」。

 「日銀がゼロ金利で資金を供給し金融市場の混乱を防いでいるが、要するに日本の国債は供給過剰なのである」。「市場の反乱は爆発寸前になっているのではないだろうか。数年先を展望すると、いまや日本の財政・金融は、あの第二次世界大戦での敗戦時のような大混乱を迎えようとしている。まさに市場の反乱である。‥(中略)‥危機感をもつことと坐して死を待つことは同じではない」。

 論文の締め括りは大きな文字で「国民の力で政治家を動かし、直ちに正真正銘の実効ある財政再建に踏み出し、日本沈没を未然に防ごうではないか」となっている。

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