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2010年5月16日 (日)

国家公務員採用半減の荒っぽさ

 2011年度の国家公務員採用を09年度のおおむね半分にするという総務省の提案が、いくつかの省庁の反対で閣議決定できないでいる。

 鳩山政権は天下りあっせんの禁止など霞が関の人事のありかたを改める方針を打ち出した。その一環として新規採用をⅠ種、Ⅱ種については2割減、国税専門官など専門性の高い職種は5割減、地方に置かれている出先機関の職員は8割減とする方針を打ち出したところ、業務運営に差しつかえるという省庁が相次いでいるというわけだ。

 天下りがしにくくなった結果、従来なら早期勧奨退職していた年配の職員が定年までとか定年間近まで勤める可能性が高まる。一方で、定員数は決まっているので、新規採用の余地が狭まる。その結果、新規採用を抑えるしかないという理屈なのだろう。

 しかし、こうした単純な発想には疑問を抱く。なぜなら、第1に、定員数は同じでも、総人件費が増える。第2に、国家公務員の平均年齢が上がるうえに、若い世代が極端に少なくなるようだと、活力が低下するなどのひずみが生じる。

 公務員は国も地方も概して多すぎる。無駄めしを食っている役人はいまも相当にいるから、本来、減らすのは結構なことである。だが、今回の提案は定員を減らすということではない。

 官僚の定数、給与等については、次のような改革が必要である。まず、上は総理大臣から末端の職員まで賃金、ボーナスのカットを即時実施すべきである。民間に比べて公務員の待遇は高過ぎる。英国の新政権が即時に5%の報酬カットを決めたように、日本の財政状態を考えれば、公務員の賃金、退職金などを1~2割引き下げてもちっともおかしくない。

 民間の大企業では賃金カーブをみると、50歳ないし55歳を境に、ほとんどの社員の年収は3分の1程度下がる、というのが一般的。そして、以後はほとんど年収は上がらない。定年延長というのも、嘱託のような扱いが多く、年収は正規社員時代の何分の1かに減る。官僚の給与制度はそうした民間の実態を反映しておらず、官尊民卑の色彩が年々強まっている。

 平均して、公務員総数の削減は可能である。どれだけ減らせるかは専門家に委ねるしかないが、キャリアなどアタマを使う職種以外は仕事の内容や仕方からみて大幅な削減ができるはずだ。それと、民間準拠から上方にかい離している賃金などを適正水準に引き下げたら、国民が納得する公務員制度になるだろう。こうした歳出の削減こそが鳩山内閣の掲げる公約をより多く実現可能にする。

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