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2010年7月13日 (火)

一段と厳しい個人企業の経営

 個人企業経済調査(構造編)の平成21年結果が7月12日、総務省から発表された。要約を見ると、個人経営の事業所の経営は一段と厳しくなったことがわかる。

 製造業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、サービス業の4分野に分けてデータが公表になっているが、21年の年間売り上げが、卸売業・小売業は前年より10.9%減った(*)。サービス業は13.0%も減った(*)。宿泊業・飲食サービス業も7.3%減。製造業だけは0.4%減とほぼ横ばいだった。

 一方、年間営業利益は、製造業が前年より30.7%も減り(*)、宿泊業・飲食サービス業も12.0%減った(*)。サービス業は7.0%減(*)。卸売業・小売業は0.3%増とほぼ横ばいだった。

 *印を付したところの売り上げ金額や営業利益は、平成13年にこの構造編の調査を開始して以来の最低額になったことを示している。個人企業の経営実態が昨年、非常に悪くなったのが読み取れよう。

 事業経営上の問題点をたずねたところ、4つの分野のいずれにおいても、「需要の停滞(売り上げの停滞・減少)」という回答が8割前後で一番多かった(複数回答)。二番目、三番目に挙げた回答は、製造業では「販売価格の低下・値引き要請」(40.8%)、「原材料価格・仕入れ価格の上昇」(38.3%)だった。

 卸売業・小売業では「大手企業・同業者との競争の激化」(51.9%)、「販売価格の低下・値引き要請」(42.9%)、また、宿泊業・飲食サービス業だと「原材料価格・仕入れ価格の上昇」(51.2%)、「建物・設備の狭小・老朽化」(39.7%)となっている。そしてサービス業では「大手企業・同業者との競争の激化」(51.1%)、「建物・設備の狭小・老朽化」(31.4%)を挙げている。サービス業では四番目に「後継者難」(29.3%)を挙げているのが目につく。

 今後の事業展開については、どの分野も、「積極的」な事業所が少なく、「消極的」なところが多い。事業規模の縮小、転業、休業、廃業を意図する事業所が多いわけだ。製造業では「積極的」10.6%に対し、「消極的」が27.7%。宿泊業・飲食サービス業だと「積極的」10.0%に対し、「消極的」21.1%である。

 詳しいデータは原資料にあたっていただくとして、個人事業所が経営難などのため、減っていく傾向はここで紹介したように明らかである。

 商店街を歩くと、経済の低迷、不振を実感する。例えば、近所のドラッグストアにおける有名ブランド化粧品のメーカー希望小売価格からの値引き率は、最近では35%にまでになった。過去10年弱の間に、10%から15%、20%‥‥と、値引き幅が上がった。牛丼の値下げ合戦も激しい。耐久消費財も同様で、売れ行きが悪いとすぐに値下がりが始まる。こうしたデフレ経済の長期化が、上記の統計調査に表われている。

 参議院選挙の結果、衆参のねじれ状態となり、政治の運営がいっそう難しくなったが、日本経済の不振をどう打開するかについて、政治のイニシアチブが求められているのは確かである。

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