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2010年8月26日 (木)

公務員・議員の給与・報酬引き下げ

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が専決処分を乱発しているとして、市民によるリコールが行なわれ、またまた市長選挙が行なわれそうだ。専決処分は最近の議会で片っぱしから否決され、県知事、総務省、そしてマスコミも市長の行き過ぎを批判している。また、市民税減税をかかげて当選した名古屋市の河村たかし市長は、市会議員の報酬を半減する条例案を市議会に提出し、否決されたが、河村市長を支持する側の市民は市議会の解散・選挙を求める運動を始めたという。民主、自民、公明の三党市議団は現在の年間議員報酬を約120万円下げて1400万円弱にする妥協案を固めたとの報道もある。

 地方自治体の公務員・議会議員に対する給与・報酬を引き下げようという動きはこれまでも散発的に起きている。その背景にあるのは、一つには自治体の財政難であり、いま一つは、地域住民の所得水準に比べて、あるいは公務員・議員の労働時間や成果に対して、給与・報酬が高過ぎることである。

 阿久根市の竹原市長が議会にかけないで副市長を決めたり、市役所職員のボーナスなどを引き下げたりしたことについて、その強引なやりくちが反発を買っているのは間違いない。しかし、市職員の給与やボーナスが地域住民の平均所得を相当に上回っているのを是正すべきだと思っている住民は少なくない。

 ことの本質は、公務員給与や地方議会議員の報酬額などが高過ぎることにある。そして、自治体職員および議員は、地方財政が窮迫しているにもかかわらず、地域住民の所得水準をかなり上回る給与・報酬等の維持を当然視しているのである。多くの首長は職員労組との関係等を優先しているので、結果として、公務員・議員天国が続いているわけだ。その分、例えば学校図書館の図書購入に回すはずの予算が減らされたりしている。暮らしが後回しにされているわけだ。

 民主党は、衆議院選挙のマニフェストで、国家公務員の人件費を2割削減すると公約した。地方公務員の給与水準は国家公務員に準ずるので、民主党政権がマニフェストを遵守すれば、地方公務員の総人件費も2割程度減るはずだ。マニフェストを実現すれば、国および地方財政の合計で5兆円以上の歳出が減る。2011年度の予算編成が財源不足で難航しているが、この公務員人件費カットは天の恵みとなりうる。

 しかし、菅首相は公務員人件費2割削減には触れないし、また、マニフェスト遵守を掲げて9月の民主党総裁選に出馬すると表明した小沢一郎前幹事長も、全くこの公務員人件費削減というマニフェストを無視しているようにみえる。

 デフレの長期化で、給与水準が民間より高く、年金も多い、クビになる心配もない、仕事は楽で、適当にやっていればよい(戸籍上、百何十歳という国民が多数生きていることになっている、などというのはそのいい例)という公務員になりたい若者が増えている。それでは、日本の将来は明るくない。 

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