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2010年8月17日 (火)

「平成21年度 医療費の動向」を読む

 厚生労働省が16日に発表した「平成21年度 医療費の動向」のデータを見ていると、興味深い傾向が読み取れる。全国の医療費は平成21年度に35.3兆円に達した。国の税収に近い。しかし、医療費のほうは毎年、1兆円前後増加しているから、デフレが続けば、数年のうちに医療費のほうが税収を上回りかねない。

 医療費は診療費と調剤に分けられるが、調剤は年々の増え方が速く、平成21年度には5.9兆円と医療費全体の16.7%を占めた。

 21年度の診療費は29.3兆円で、そのうち、入院が14.0兆円、入院外12.7兆円だった。また歯科は2.5兆円。外来(歯科は含まない)、つまり「入院外+調剤」だと、18.6兆円となる。全国医療費を100%とすると、入院が39.8%、外来が52.8%を占めている。

 受診延べ日数は微減傾向にあり、医科の入院、入院外ともに微減。法人の病院だけは入院受診延べ日数が増えている。しかし、大学付属病院や公的病院、法人の病院、診療所など医療機関別に見た概算医療費はどこも増加傾向が続いている。保険薬局の概算医療費は特に伸びが大きい。

 医科の入院1日当たり医療費は平成21年度に29240円(16年度25569円)。内訳を見ると、大学病院の入院だと55202円(同45935円)、公的病院では39594円(同33197円)などで、単位当たり診療費が年々高くなっている。これに対し、医科の入院外1日当たり医療費は7370円(同6584円)。大学病院に限ると14118円(同10827円)とほぼ倍近い。

 また、平成21年度の1人当たり医療費は平均27.6万円(平成16年度24.6万円)。70歳未満だけだと16.8万円(同15.7万円)にすぎないが、70歳以上だと77.6万円(同73.9万円)かかっている。さらに75歳以上にしぼると、1人当たり88.2万円にも達する。

 医療保険適用の医療費が70歳未満だと合計で18.1兆円なのに対し、70歳以上は15.5兆円に及ぶ。いずれにせよ、高齢化による医療ニーズの増加がそのまま医療費を押し上げていることが示されている。

 一方、都道府県別の概算医療費はどうなっているのか。受診者の1日当たり医療費が最も高いのは北海道で15991円、次いで沖縄県の15255円。それに石川県14808円、高知県14697円など地方が並ぶ。逆に最も低いのは佐賀県の12159円、次いで三重県12591円、埼玉県12714円、愛知県12761円と続く。

 以上に紹介したようなデータをどう解釈し、医療費のムダ削減、効率化を図ったらいいか。真剣に考える必要がある。高齢化に伴って増えるのは当然だという厚生労働省などの発想は無責任きわまる。

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今朝、何気にラジオを聞いてたら、医療費のニュースが流れたので、薬事日報という薬剤師向け情報で調べてみたら以下の記事が見つかりました。【09年度医療費】調剤医療費6兆円へ迫る‐前年度に比べ約8%の増加し医療費全体の16.7%占める】  厚生労働省は16日、2009年度の医療費(概算医療費)動向を発表した。それによると、医療保険と公費負担を合わせた昨年度1年間の医療費は、前年度比3・5%増の35・3兆円となり、7年連続で過去最高を... [続きを読む]

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