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2010年10月18日 (月)

インンフルエンザ予防接種の自己負担額

 10月から全国各地でインフルエンザ予防接種が始まった。65歳以上の高齢者などに対しては、費用の個人負担額をほとんどの自治体が軽減する措置を講じている。東京都区内に住む私の場合、65歳以上ということで2200円である。軽減措置がなければ3600円かかる。では、全国各地の市町村ではいくら助成し、個人負担はいくらなのか。アトランダムに全国各地の市のホームページにアクセスし、65歳以上だけを取り出して比較してみた。

 圧倒的に多いのが個人負担額が1000円という自治体である。札幌、青森、仙台、福島、さいたま、相模原、名古屋、守山(滋賀県)、大阪、枚方、堺、神戸、松山、高知、北九州、宮崎。下関は1050円。

 それより負担額が多い市は、1300円の掛川(静岡県)、1500円の千葉、川崎、多治見(岐阜県)、2000円の横浜、2200円の武蔵野、日野、昭島(いずれも東京都下)、2600円の秋田。能代市は1000円補助(費用を3600円とすると2600円となる)。松江市は上限3600円、鳥取市は助成なしの3600円。徳島市は原則自己負担という。

 全国の市町村をすべて調べたら、どんな結果になるか大いに関心があるが、上記のデータから考え付くことは、1つには、東京およびその周辺の個人負担額は多いということである。東京都のように地方交付税交付金を受けず、せっせと国に納税しているところのほうが、住民への保障が低いというのは皮肉だ。大都市と地方とでは、大都市のほうが豊かな暮らしをしているという見方もあるが、私はそうではないと思っている。インフルエンザ予防接種補助は、それを示す例である。

 一方で、鳥取県、島根県、徳島県や秋田県のように過疎化して基礎的自治体の財政が厳しいところでは、個人負担を軽減するための助成に回すだけの財政的余裕がないということだろうか。

 ところで、インフルエンザにかかると重症化しやすい高齢者に対し、自治体が予防注射に助成措置を講ずるのは理にかなっている。だが、老人だから、気の毒だから、ということで高齢者向けの財政支出を次々に容認すると、ほかの財政支出にしわ寄せがいく。国、地方とも、財政は社会保障であろうとそうそう膨らむことが許されない状況にある。そうした目で、自治体の財政を見直したとき、住民への過剰サービスになっていはしないか、という厳しい点検が常に求められるだろう。

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