« 『江戸絵画の不都合な真実』(狩野博幸著)から | トップページ | まじめに働く人たちが日本社会を支える »

2010年11月 4日 (木)

米中間選挙での共和党大勝

 米国の中間選挙で、予想されていた通り、共和党が大勝した。下院は共和党が多数、上院は民主党多数と、いわゆるねじれ状態となった。もしも、両党が議会で国民不在の争いばかりしていたら、それこそ、米国民は今度のティーパーティーではないが、黙ってはいないだろう。

 米国は大統領制なので、オバマ政権は議会を説得しながら、内外の政治課題に対応していくことが可能である。だが、日本では、衆参のねじれに加え、民主党が政治の理念や、それに基づく整合的な政策が無いことがはっきりしてきたために、主要な政治課題の一つひとつをめぐって党内が割れるという、さながら無政府状態に陥りつつある。外交・安全保障の面で外国になめてかかられる事態がこれ以上起きなければいいが‥‥。

 菅首相が積極的な姿勢を示したTPP(環太平洋パートナーシップ協定)協議への参加については党内が割れ、交渉参加すると言い出せない状態だ。「日本が参加しなければ、日本を囲む国々が自由貿易圏を形づくり、鎖国している日本がポツンと存在することになる」(チャールズ・レイク米日経済協議会副会長。朝日新聞4日付け朝刊)という孤立状態になることも十分ありうる。日本の経済を支えているものづくりなどの産業を切り捨ててでも、いまの農業を守るという国会議員がたくさんいるからだ。

 政治とカネの問題では、菅首相も岡田幹事長も、小沢一郎氏の国会招致について、出席してほしいと小沢氏に会って言うことすらおっかなびっくりの姿勢。4日、やっと岡田幹事長が会って要請したが、素気無く拒否された。民主党として出席を求め、ノーなら党除名すべきところだが、それもできず、ずるずる問題をひきずっている。予算審議など国会運営にも大きく影響している。

 一方で、民主党は企業・団体からの政治献金を再開すると言い出した。同党は企業・団体献金の廃止をずっと主張してきた経緯がある。それなのに、鳩山、小沢両氏の政治とカネの問題がすっきりとしないままなのに、カネが欲しいから再開するというのはいかがなものか。これも党内から反対の声があがっている。

 ところで、オバマ大統領は3日の記者会見で、「米国民は景気回復のペースに強いいら立ちを感じている。政府に税金を賢く使い、子供や孫の世代に多額の借金を残さないよう求めている」(日本経済新聞4日付け夕刊)と語った。いまの日本国民はどうだろうか。米国以上に財政赤字の累積は重いのに、民主党が2011年度予算も激しいばらまき政策を続けることに強い怒りの表明がない。

 おそらく日本では、消費税を上げると言ったら、相当に強く反対する動きがあちこちに起きよう。米国民と違い、日本の国民の多くは目先の損得しか見えず、将来世代に大きな負担を残し、苦しめることに思いが至らないのだろうか。

 米国のFRBは3日のFOMC(連邦公開市場委員会)で長期国債の追加購入(2011年6月末までに6000億ドル)などの追加金融緩和策を決めた。日本銀行も先日、5兆円規模の金融資産買い取り方針を決めたばかり。両国とも、財政膨張で増えに増えた国債を買い取ると同時に、カネをどんどん市場に供給して超低金利にし、投資などの資金需要を喚起するという発想だ。

 それがうまくいけばいいが、副作用は相当に大きい可能性がある。世界的なドル過剰はマネー投機を促し、バブルを引き起こしかねない。それにデフレ克服をねらったつもりが、激しいインフレになってしまうおそれもある。日米を見ただけでも、世界経済の前途はけわしいと思う。

|

« 『江戸絵画の不都合な真実』(狩野博幸著)から | トップページ | まじめに働く人たちが日本社会を支える »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/49938286

この記事へのトラックバック一覧です: 米中間選挙での共和党大勝:

« 『江戸絵画の不都合な真実』(狩野博幸著)から | トップページ | まじめに働く人たちが日本社会を支える »