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2010年12月23日 (木)

誰が日本を救うのか

 年末の片付けをしていたら、興味深い話が載っている古雑誌が出てきた。雑誌「自動車販売」2001年5月号の「だれが日本を救うのか~私の指導者論~」(日本経済新聞論説副主幹 田勢康弘)である。以下、抜き書き的になるほどと思ったところを紹介する。

 ・明治のリーダーは自分に大変厳しいものを持っていたように思う。少なくとも自己の利益のために地位を望むというような人ばかりではなかった。国益、国のために何がいいか、そのためには命も捨てる覚悟をしていたように思う。

 ・国家を運営する立場に立つからには、歴史に対して謙虚でなければならない。歴史を見て、自分が為政者として、どのように国を導いていくか、決断しなければならない。そのためには歴史を知らねばならない。知的水準が高くないと歴史には学べないのです。

 ・残念ながら国会を見渡しても、歴史に学ぶどころか、歴史に大変無知な人ばかりが集まっているとしか思えない。なぜかと言えば、初めから政界に参入してくる人の水準があまり高くないのです。有望だと言われる若手を思い浮かべてください。あの程度の人物なら、どこの会社にもごろごろいます。本来、民間人と政治家とは、何が違わねばならないかと言えば、政治家は国や国民のために命を捨てる用意があるということ、覚悟なのです。

 ・自民党の時代は完全に終わった。この政権が延命を考えるだけであれば、もはや存在する意味は全くなくなっている。では、民主党はどうか、頼りになるかと聞かれれば、あまり頼りになると思えない。しかし、それでも政権交代したほうがいいと思う。同じ政党が軸になって、何年も日本の政治が運営されていくと、いろいろな事件、スキャンダル、いずれも全部組織的なものになる。

 ・今、我々は幕末から明治にかけて、すごいリーダーがいっぱいいたなと懐かしんでいる。しかし、幕末にアメリカを訪れた勝海舟は、帰国後、その時代でさえ、アメリカに比べて何たることよと、日本の指導者のお粗末さを嘆いた。あれから140年、我々はいったい何をしてきたのか。第二次世界大戦に参入していったわけだが、あの前後も、振り返ってみると、本当に一人としてまともなリーダーが存在していなかった。

 ・誰か一人でも決断できる人がいれば、陸軍の横暴を許すことはなかった。戦争を止めようと思えば、止められたはずだが、そういうリーダーがいなかった。政治など別にどうでもいいと思っていると、ああいう悲劇が繰り返される。いま、大変に似た状況になりつつあるように思う。それは政治の世界だけの問題ではない。官僚も民間も同様です。

 ・こうして見てくると、誰が日本を救うのか。それは政治家や企業のリーダーなどではない。我々なのです。

 ――この田勢氏の講演をもとにした記録を読むと、ほとんどいまの日本の政治状況を踏まえて話しているように思える。自民党に絶望し、民主党に過度の期待をした国民の甘さを戒め、国民が危機にある日本の再生に自ら立ちあがるしか救いはないことをこの講演録は示唆しているのではないか。 

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