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2011年1月26日 (水)

橋下大阪府知事の「大阪都構想」を聞いて

 25日午後、日本記者クラブで大阪府の橋下知事が会見した。しゃべり慣れているせいだろう、たて板に水のごとく、「大阪都構想」を東京のジャーナリストに説明した。わかりやすく、説得力があった。それに、橋下知事は構想力や行動力があり、若さに満ち溢れている。内閣や国会議員に若くて有能なリーダーが欠けているだけに、とても新鮮だった。

 ちょうど、この日、新潟県知事と新潟市長とが新潟州構想を発表した。愛知県と名古屋市はすでに同様の構想のもとに河村名古屋市長が動いている。日本の地方分権の見直し・強化に向けての具体的な動きが相次いで出てくる機運を感じる。

 橋下知事の会見で、同知事が強調したポイントを私なりに整理すると、一つは、「大阪都構想」は、アジアの主要都市が、都市を強くすることに懸命になっている中で、大阪もソウルなどアジア主要都市との都市間競争に負けないようにするのがねらいである。と共に、国がつくった現在の政令市という制度への挑戦である。

 いまの東京都は広域行政の部分だけを担い、市町村と特別区に権限・財源を与えて住民に身近な行政サービスを担ってもらっている形だ。区議会も区長も公選である。ところが、大阪府と大阪市の場合、大阪市は政令市なので、府とほぼ同じ権限・財源を握っている。にもかかわらず、区長は大阪市の役人がなり、区議会もない。大阪市では都道府県並みの権限・財源を握る市長が、260万の住民の身近な行政サービスまでも一手に担っているのである。

 260万人といえば、広島県などと同規模である。政令市で、知事並みの権限・財源を持つ大阪市長が、広域的な行政も、住民への身近なサービスも、すべて担うというのは本来、不可能である。戦前の東京府と東京市とはいまの大阪府と大阪市と同様の関係だった。それをいまの東京都――特別区という形に改めた。大阪も、同様な形に変えよう、そして、大阪府の特別区には、東京のそれよりも大きい権限・財源を与え、中核市並みにしようというのが橋下構想である。

 大阪府の人口および産業の集積の中心部分に大阪市がある。したがって、大阪府全体の発展を図るには、大阪市が市の都合だけで動くのではなく、府全体の立場を踏まえるのが望ましい。大阪市地下鉄の延伸、高速道路整備など公共インフラは府と市との足並みがそろわないとうまくいかない。だが、いままでは、府と市とがやたらと競争し合い、二重行政もいいところだった。いまもそうだ。

 橋下知事は大阪市の平松市長とこうした問題で何年も話し合ってきたが、らちがあかない。そこで、大阪維新の会を設立するとともに、自ら大阪市長選に出馬し(府知事には同じ志の人に立ってもらう)、大阪市と大阪府とが一緒になって「大阪都」をつくろうとしているわけだ。

 これからの日本は稼げるところでかせぐべきである。都市を強くし、その大きな経済圏同士をリニア新幹線などで結んで、あたかも一つの巨大な経済圏のようにする。そうすれば、ひと、モノ、カネがぐるぐる回るようになる。「大阪都構想」はそうした将来を展望してのもので、広域行政を「関西州」にまで広げると、大阪都は消滅する。本来、こうしたことは国の政治家が考えるべきことだが、彼らには経営、かせぐ視点がない。政治に戦略性がない。橋下知事はそうした点も槍玉にあげた。

 毎週一度、2~3時間の記者会見を行ない、それとは別に1日に3回、ぶら下がりで30分ずつ記者会見する。タウンミーティングは1日に3回、2時間ずつ。それ以外にユーチューブにも出る。それでも、メディアから「説明が足りない」と批判を受けるそうで、橋下知事は「冗談じゃない」とメディアに対して怒っていた。

 大阪市の役人天国は言語道断の域に達している。「大阪都構想」は大阪府と大阪市の合併という側面もあり、大幅な人員合理化、人件費削減、巨額の累積財政赤字の縮小、住民サービスの向上などにつながる。橋下知事に期待するところ大である。

 ついでに言えば、石原東京都知事は橋下知事に比べると精彩がないし、魅力もないですね。

 

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