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2011年2月22日 (火)

日本の若者は怒りを忘れたのか

 チュニジア、エジプトにおいて政治体制がひっくりかえされたあと、リビアでは、カダフィ大佐の長期支配体制が大きく揺らいでいる。同国では、反政府活動に対して、軍隊が実力行使し、沢山の死者が出ているという。程度の差はあるが、中東・北アフリカ諸国のほとんどで、反政府の活動が一気に火を噴いた感じだ。

 それらの国は独裁的な政治体制で、政府批判を許さない。また、貧富の差が極端に大きい。しかも、人口が急増し、若者たちの働く場がなかなかない。そこで、主に若者たちがそうした不満や政府批判を訴える集会・デモをツイッターやフェースブックといったネットの利用で呼び掛けたわけだ。

 一党独裁体制を敷き、言論の自由を認めず、政府批判を許さない中国政府は、中東・北アフリカ諸国と同質の政治体制である。このため、中国国内のいくつかの大都市でも、言論の自由などを訴える集会の動きが少しあったが、政府は公安警察を動員して、こうした反政府活動を厳しく取り締まっている。また、インターネット規制を一段と強化する方針である。力づくで一党独裁体制を守ろうとしているわけだ。

 ひるがえって日本国内をみると、民主党の内部権力抗争が広がる一方で、菅政権は2011年度国家予算を成立させる見通しが全く立たない。少子高齢化や長期デフレのもとで、財政破綻を回避する明確な展望を示せず、また年々大幅に増える社会保障費の財源確保のメドも立っていない。高齢者を支える現役の人々は、平均すると、賃金が下がり気味だ。しかも、若い世代にとっては、大学・高校などの新卒者の就職難がある。日本にいては、若者の未来は率直に言って非常に暗い。

 したがって、現役で働く人々や若者たちが不満や怒りを感じて当然だと思う。しかし、中東・北アフリカの国々で起きているような権力者批判、体制批判が日本では全くみられない。学生は就活で忙しいし、労働組合もほとんどが春闘で定期昇給維持を要求している程度だ。非正規雇用や無職の人たちがまとまって政府批判や怒りの声をあげる様子もまずない。活動的な若者たちこそ、政治を変える力なのに、彼らは怒りを忘れてしまったかのようである。若者が怒りをデモなど目にみえる形で示さないから、政府も議会も永田町でコップの中の争いを延々と続けていられるのだ。

 なぜ、若者は怒りを社会的な行動で示さないのか。それは現代の日本社会が抱える大きな問題点の1つである。

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