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2011年2月22日 (火)

皆で渡れば‥‥国債を大量に抱える金融機関

 国民は安全志向で銀行やゆうちょ銀行におカネを預ける。銀行などはよい融資先がないので、預かったおカネをどんどん国債の購入に充てる。おかげで、政府は超低金利で国債を大量に発行できる。結果として、日本政府の債務残高は増え続ける。税収よりも国債発行による歳入のほうが多い2011年度予算案も、こうした国民、金融機関、政府の三者の資金移動を前提としている。

 日本経済新聞の2月22日付け朝刊の記事「銀行の国債購入最高に 昨年」は上記の資金の流れが勢いを増していることを示している。記事によると、「3メガ(バンク)など大手銀の昨年の国債買い越し額は約8.7兆円、地銀は約7兆円と、統計上さかのぼれる05年以降でそれぞれ過去最高を更新した」。そして大手銀は今年になっても、高水準の購入を続けているという。

 日本国債の所有者をみると、2010年9月末時点で、ゆうちょ銀行を含む銀行等が44.4%も所有している。次いで生損保等が20.1%所有している。ほかに公的年金が10.7%、年金基金が3.8%、日銀が7.9%などとなっている。三菱フィナンシャル・グループが昨年9月末時点で保有する日本国債の残高は約43兆円。同グループの国内法人向けの貸し付けと同額だという(朝日新聞2月21日付け)。

 ということは、もしも国債が相当値下がりすれば、銀行等や年金などは大きな損失をこうむることになる。そうなったら、経営危機に陥った銀行等から預金を引き出そうと大口顧客が殺到することも予想される。いわゆる取りつけ騒ぎである。それがいつ起きるか、予想はできないが、本格的な財政再建が行なわれないままだと、必ず危機は表面化する。外国の格付け会社2社が日本国債の格付けを最近引き下げ、ないし見直したのも、財政破綻の可能性がこれまでより大きくなったとみているからである。

 ところで、資金運用全体の中で日本国債のウエートが大きすぎるのは気になる。国債暴落ともなれば、保有する金融機関、年金基金などは軒並み巨額の損失を抱える。その際、担当者は責任を問われるはずだが、“皆で渡ればこわくない”ということなのか。日本の金融機関は長期デフレで国内企業の資金需要が細っているため、資金を寝かせておくよりは超低利でも国債を買うほうが有利だと安易なソロバン勘定をしているようにみえる。そうではなく、国内外で地道に融資先を開拓し、すぐれた企業に育てあげる努力をすべきではないか。内弁慶では困る。

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