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2011年2月 3日 (木)

「国民経済計算」で知る日本経済の位置付け

 2009年度(平成21年度)の国民経済計算確報を内閣府が1月末に公表した。この資料を読んでいて、一番びっくりしたのは、1999~2009年度の表でGDPデフレーターが毎年度マイナスだったことである。それだけデフレが続いたということだろう。

 09暦年末の総資産は7954.2兆円と8000兆円を割った。過去のピークは06年末の8538.6兆円である。負債を差し引いた正味資産は2712.4兆円。10年前の2911.2兆円より7%近く低かった。

 土地資産額は09年末1207.7兆円となお減り続けており、1990年末のピークの半分以下に下がった。また、株式資産額は373.5兆円で、1989年のピーク875.4兆円の4割強にまで下がっている。

 正味資産の中のダントツである家計(個人企業を含む)の分は2039.0兆円(総資産2403.1兆円-負債364.0兆円)で、1988年以来の低水準。そして注目すべきは、一般政府(国や地方政府など)の正味資産がマイナスの48.8兆円となったこと。国債発行などでとうとう借金のほうが資産を上回った。財政破綻に近付いていることを示している。

 確報によれば、名目GDP(支出)は1999年度499.5兆円だったのが、2009年度は474.0兆円へと下がっている。その中で、国民所得に占める雇用者報酬の割合(労働分配率)は09年度に74.1%(前年度と同じ)と近年では比較的高い水準。家計貯蓄率は5.5%(08年度3.2%)と2000年度に次ぐレベルに上がった。

 また、産業別GDPの構成比(名目)をみると、09暦年の農林水産業はわずか1.4%。製造業にしても17.6%にすぎない。鉱業、建設業を含めた第二次産業というカテゴリーでも23.8%である。第三次産業の割合は09年に74.9%に達した。2000年には69.8%だった。

 このほか、一般政府の財政状況も確報に示されている。09年度のプライマリーバランスはマイナスの39.5兆円。内訳は中央政府がマイナス(赤字)31.5兆円、地方政府はプラス(黒字)1.7兆円、社会保障基金マイナス9.7兆円である。

 内閣府の発表には主要国の名目GDPのデータもある。日本の一人当たり名目GDPは09暦年に3万9530ドルで、OECD加盟国中、第16位だった。2000年には3位だった。2000年から2009年までの10年間に、日本の名目GDPは4兆6662億ドルから5兆0420億ドルまでちょっぴり増えた。その間に中国は4倍以上に、フランスは2倍弱に、米国は4割増、韓国は6割弱の増など、主要国はどこもかなりの経済成長を遂げた。

 過去10年以上にわたって日本経済が低迷してきた結果、国際経済における地位が顕著に低下した。それをどう考えるか。資源・環境などの制約を踏まえると、諸外国のような内容の経済成長を続けることは問題が多いとの見方も少しずつ出てきている。日本の進むべき道をめぐって議論が盛んになればいいと思う。

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