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2011年3月 5日 (土)

人口から見て日本は分権型国家になって当たり前

 日本は人口が減っているとはいうものの、人口でみれば実に大きい国だ――そんな感想を改めて抱いたのは、「各地方と主要国の人口、経済規模の比較」という表を見たときである。経済同友会がことし1月に発表した提言「2020年の日本創生―若者が輝き、世界が期待する国へ―」の中にあるデータだ。

 それによると、北海道とデンマーク、東北とスウェーデン、関東とスペイン、中部とオーストラリア、近畿とオーストラリア、中国とスイス、四国とニュージーランド、九州・沖縄とオランダはそれぞれ人口がほぼ同じである。名目GDPでは、北海道がデンマークの約2分の1、九州・沖縄がやはりオランダの2分の1強、中国がスイスの約6割、と開いているほかは、さほど違いはない。四国とニュージーランドはほぼ同じである。関東はスペインよりもGDPが少し大きい。

 ということは、日本1国が、欧州の5ヵ国とオーストラリア(2国分)、ニュージーランドとを足したのとほぼ等しいことを示している。日本はいかに大きな国かがよくわかる。

 上記の7つの国はそれぞれ主権国家である。それに対し、日本の8つの地域は、中央政府が権限や財政において圧倒的な権限を有しており、都道府県・市町村の首長や議会の運営はおよそ主体性を欠いたものとなっている。住民もまた、地域としての自主独立の精神よりも中央政府に依存する気持ちが強い。特に地方交付税交付金などのカネの面でだ。したがって、何かあると、「国(政府)は何をしているのか」という批判や不満が出たりする。

 しかし、日本は7つの国の実例を念頭に置けば、単一国家のもとで各地域の自主性が最大限に発揮できる広域行政制度として、「廃県置州」―地域主権型道州制を導入すべきではないか――同友会はそう提言している。それによって、自主・自立・自己責任をバネに、地域に多彩なにぎわいをもたらすことができると訴えている。

 地域主権型道州制を導入すれば、権限・財源は基礎自治体、道州に移譲され、道州は主要先進国並みの人口・経済規模を持つことになる。そして、経済活力、生活の質の向上、文化発信などで各国に伍して競い合うことができる。そう指摘したうえで、2018年に地域主権型道州制の導入を提言している。

 提言の実現性については何とも言えない。だが、都道府県・市町村の首長や議会議員たちは、欧州などの例を参考にし、日本の自治体・地域があまりにも中央集権に従属していることを率直に認め、地域の自立を図るべきだ。大阪府、名古屋市などでの首長の活動は、そうした流れが表面化してきた事例だと思われる。

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