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2011年3月 7日 (月)

大局を見失っている政治家たち

 前原誠司外務大臣が外国人から政治資金の寄附を受けていたとして、政治資金規正法違反を問題にされ、辞任した。

 同法の基本理念をうたった第2条ー2は「政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の接受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行なわなければならない」と述べている。そして、第22条の5において「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない」とある。

 それを受けて、第22条の5第1項に該当する寄附を受けた者は3年以下の禁固または50万円以下の罰金に処することとされる。

 したがって、前原氏が在日韓国人から年間5万円、計25万円の寄附を受けていた点が国会で指摘された以上、辞任はやむをえないだろう。

 前原氏は子供の頃から親しくしていた在日韓国人から寄附を受けていたことを知らなかったと語ったが、本当だろうか。政治家が、寄附までして支援してくれる人たち(および企業、労組など団体)の名前の載った名簿を見ないなんてことは信じられない。それとも、よほど沢山の寄附者がいて、いちいち名前を見ているいとまはないというのだろうか。

 ただ、今回のケースから、寄附を受ける際、寄附者が外国人・団体であるか否かをいちいち調べないといけないことがわかった。だが、そうした身元調べは現実的か疑わしい。国会でこの件を取り上げた野党の政治家にすれば、自らの政治資金にも及んでくる。とんだやぶへびになったかもしれない。

 また、現行法は1000円以下の寄附は罰則の対象外としているが、罰則の対象外を引き上げて、例えば、年間1万円までとか3万円ぐらいまでとすることも考えられる。そうすれば、少額の寄附までもいちいち外国人・法人か否かを確かめる手間が要らなくなる。

 現在は、内外の厳しい情勢に直面している日本国の政治のありかたをめぐって国会が真剣に審議すべきときである。衆参のねじれを踏まえ、連立内閣を結成していいくらいだ。そんなおりに、重箱の隅をつつくようなことで外務大臣のクビがとんで何になるのだろうか。それこそ与野党の政治家が最も重くみるべき国益にそぐわない。菅内閣も民主党も、国民のための政治を忘れて権力にしがみついているようにみえる。自民党も、党全体のリストラクチャリングができないままなので、支持率があまり上がらない。

 現在の日本政治はものごとの本質に迫る議論がなく、政治に対する国民の期待は下がる一方である。政党政治がダメな状態が長く続くと、戦前の歴史が示すような危機が訪れないとも限らない。いつまでも日本は「大丈夫」などと言ってはいられなくなる。 

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