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2011年3月26日 (土)

震災対策においても財政再建を忘れるな

 東日本大震災の深刻な打撃から日本は再生できるのか。そのための大きな一歩が国の予算の大幅な組み直しである。

 福島原発のゆくえが定かでないが、2011年度予算は歳出規模を大幅に増やす必要があるだろう。被災者、被災地域や地震・津波・原発破壊で大きな打撃を受けた産業・企業を救済ないし支援するためには11年度だけでも何兆円ものカネが求められるからだ。しかし、下手をすれば、それは近付きつつある財政破綻の時期を早める危険がある。

 日本再生のための新たな必要資金を安易に国債の上乗せ発行でまかなうとか、日銀が直接・間接に国債を購入するといったことで調達するのは厳に慎まなければならない。なぜなら、衆議院強行突破で成立の11年度当初予算は国債発行が税収にほぼ等しく、財政構造が悪化する一方だし、国債を相当に抱え込んでいる日銀がさらに国債を買い増しすれば、日銀の信用基盤が揺らぎ、長期金利が跳ね上がるおそれが強まるからである。危機に際しても、財政再建への取り組み姿勢を内外に示し続けることこそが必要不可欠なのである。

 したがって、いま大事なのは、まず第一に、11年度予算を修正し、歳出内容を抜本的に変えることである。具体的には子ども手当、農家への戸別所得補償、高速道路無償化など、民主党のマニフェストに掲げた大盤振る舞い政策をご破算にし、それらのばらまき原資を震災からの復興・再生に充てるべきである。一般会計・特別会計の組み替えで浮く原資で子ども手当などを実施するはずだったのが、肝心の原資を見出せなかったのだから当然のことだ。そうしてこそ、民主党政権は国の再生に向けて、自民党など野党の協力が得られよう。

 いま一つ震災から立ち直るための資金を捻出する方法は増税である。5年間などと期間を限定しての法人税引き下げ延期や、所得税、消費税などの税率引き上げは十分考え得る。電気料金や石油などの化石燃料に対する課税強化も環境エネルギー対策の観点から現実的な対策である。

 震災からの復興・再生にあたっては、震災前の状態に戻す復旧にしないことが大事である。限られた資金で、望ましい持続可能な地域経済社会をつくるのに衆智を集めることが期待される。財政健全化の観点をおろそかにしがちなままに国債依存度を高めるのは危険きわまりない。

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