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2011年4月20日 (水)

小野善康氏が災害復興制度の確立を提案

 経済学者の小野善康氏が19日、日本記者クラブで会見し、東日本大震災からの復興策について、「きょうは好き勝手を言いたい。私はこういうことを主張している」と前口上を述べたうえで、「今回の経験を踏まえ、きちっとした災害復興制度の確立を」と提案した。

 日本は国土のどこにいても大規模災害に直面する可能性がある。したがって、大規模な災害に対して自己責任で立ち向かうのではなく、全国民が被害総額に応じて負担する復興制度をあらかじめつくっておき、大災害が発生したら、すぐ、その復興制度が動き出すような体制にしておくべきだというのが小野氏の提案である。

 小野氏が予め復興制度をつくっておくようにと主張するのは、大災害が起きたとき、復興をめざしての対応が遅れると、復興が格段に困難になるからでもある。遅れると、復興してもそのレベルが低いし、期間もかかるという。また、復興のための財源については、時限的な復興税を、と小野氏は言う。具体的には消費税なり所得税の増税ということになるが、これは税の形をとった統一的義援金でもあるという。

 日本経済には30兆~50兆円の生産余力がある。他方、東日本大震災の復興事業費はおおよそ30兆~40兆円である。したがって、時限的な独立組織を設け、各省・自治体を糾合した形で復興に取り組む。また、非被災地が「バイ(buy)東北」を進めれば、おカネは回って長期安定的に雇用や所得を生む。義援金だと一時的なものにとどまり、雇用につながりにくいという。

 小野氏が配布した資料によると、2011~20年度の復興事業費は総額36.7兆円(うち国の負担は14.7兆円)で、国の負担分のみを捻出するのには、消費税なら5年間、1.5%上乗せするというもの。期限が来たら、消費税の上乗せ分は撤廃する。現在、被災地から消費税を取るのはおかしいとして消費税引き上げに反対の意見があるが、それに対しては「被災地から取っても、非被災地からたくさん(復興のために)カネを送るのだから問題はない」と批判した。

 ただ、あしたから増税というのは現実的に無理。したがって、まずは復興国債を、そして消費税に切り替えるというのはやむをえないが、次の大震災からは、財源確保のため、すぐに消費税引き上げなどが発動できるようにしておくように、と小野氏は語った。

 かねて、小野氏は、日本経済には大幅な供給余力があり、これを使う、つまり需要を増やすことでデフレから脱却できるという意見を唱えてきた。このため、“自粛”で消費などが減るのは非常に問題だと考えている。いまは、政府が十分に資金手当てし、復興対策を急ぐべきであり、復興に使ったカネは雇用を所得を生み、景気にプラスになると指摘する。 

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