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2011年5月12日 (木)

浜岡原発の停止の必要性

 菅直人総理大臣の要請に応じて、中部電力は浜岡原子力発電所を全面的に停止することにした。浜岡原発については、かねて東海大地震が近い将来に確実に起きるといわれているから、十分な津波対策を終えるまで運転を止めてほしいというのはなんとなくわかるような気がする。

 だが、よく考えてみると、納得できないことがある。第1に、浜岡原発のストップを訴えてきた人たちの主張は、大まかに言うと、①浜岡は巨大な断層の上にあり、巨大地震にもろい、②東海大地震が間近い、という2点である。もし、この理屈に従えば、津波対策で高いブロックを設けたとしても、2つのリスクは残る。①のリスクを重視するなら、浜岡原発の閉鎖が適切な解であろう。それとも、政府は、地震による原子炉破壊などというリスクを考慮する必要がないほど浜岡原発の耐震性が高いと判断しているのだろうか。それなら、その根拠を明示してほしい。

 第2に、原発の安全性は「止める、冷やす、閉じ込める」の3つをきちんと実現することだという。浜岡は全基を止めることになるが、使用ずみ核燃料を冷却プールに置くのなら、冷却を続けなければならない。したがって、この冷却機能を保持するためには、福島第一原発のように外部電源や非常用発電機がストップするような事態が絶対に(近いほど)起きないように補強工事を行なわねばならない。この使用ずみ核燃料の扱いについて、政府も、中部電力もなぜか触れていない。

 以上から言えるのは、政府、中電とも、津波対策が不十分だから、それをやり終えるまでは原発の運転をやめようと合意したということである。大きな断層の上にあり、危険だということで浜岡の廃止を求める声はしりぞけられた。

 しかし、政府の意向が、「浜岡は津波対策が不十分だから、その対策を終えるまで原発を止める」ということだとすると、全国各地にある原発すべてについて、同様の対応が求められることになりかねない。原発周辺の住民や自治体は、大丈夫かと不安を抱いているからだ。

 こうした不安に対して、浜岡と違い、ほかは大地震の起きる確率が低いから、津波対策の強化は要らないということにはならない。東北の沖合で今回のような超巨大地震が近い将来に起きるという予測を立てていた学者・専門家がいなかったように、地震の発生を予測する科学は、大して進んでいないからである。いつ、大きな地震、そして津波が起きるかもしれないとの住民の不安を「ナンセンス」と否定し去ることは難しい。

 

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