« 子供の頃に憧れたアラカンの「聞書」を読んだ | トップページ | 医療費などの効率化に関する櫻井財務副大臣の考え »

2011年5月27日 (金)

中国では公害の深刻化でガン死が増加

 レスター・R・ブラウンのアース・ポリシー研究所が25日に発表した「中国ではガンがいまや最大の死因」というリポートは、経済発展を優先し、大気や水の汚染を放置して国民の健康を害している中国の実態を紹介している。

 貧しい国では感染症と子供の死亡率が高いが、今日の中国は肺ガンなどのガンや、心臓病による死亡率が高いという。そのわけは、工業を中心とする爆発的な経済成長で、豊かになったものの、大気や水が汚染され、人々はその汚染された空気を吸ったり、水を飲んだりしているからだという。

 中国では石炭が主要なエネルギー源であり、石炭火力などの排ガスには亜硫酸ガスや、水銀、鉛、カドミウム、放射性物質などの有害物質が含まれている。上海などもそうだが、スモッグで太陽がかすみ、酸性雨が降るところが多い。また、石炭灰は固体廃棄物のナンバーワンだが、処理処分せず積んでいるだけだから、風で飛散する。

 また、鉱山や工場の排水が垂れ流され、そこに含まれた有害物質が河や湖を汚染し、地下水をも汚染している。そうした地域では、地下水であっても飲み水には使えないし、また、処理場で処理しても飲めないという。しかし、他にないので、生活するうえでやむをえず使っているような状態である。

 リポートによれば、中国には“ガン村”(cancer villages)といわれるものが450以上あるという。そこでは人口当たりの死亡率よりも誕生率のほうが低い。さらに、障害を持って生まれた赤ちゃんの割合が近年、急速に上昇しているそうだ。

 こうした死亡率などの数値を公けにすると、機密漏えいで処罰されるため、実態は隠ぺいされている。とはいえ、ガンにかかる住民が多かったり、一人っ子政策のもとで、たった一人のわが子が悲しい目にあったりすれば、住民の怒りは大きくなる。そのため、住民の抗議で工場などを閉鎖することもあるが、コミュニティのほうをよそに移すような措置がとられることもあるという。

 そうした汚染地域で生産された農産物には有毒な物質が含まれているが、実態は隠ぺいされたままなので、汚染有害農産物が他地域や外国に売られることもあるとのこと。

 以上、リポートの一部を紹介したが、民主主義国家、日本では、有害情報を開示するのは当たり前だ。放射能汚染の疑いがあるというので、各地で測定し、食物などの安全性を確かめている。しかし、中国は、法律上の規定はあっても、重金属その他の有害な物質による国民の健康への影響よりも、工業発展を優先している、というのが、このリポートのポイントだ。民主主義国家なら国民のチェックが入るのだが‥‥。

|

« 子供の頃に憧れたアラカンの「聞書」を読んだ | トップページ | 医療費などの効率化に関する櫻井財務副大臣の考え »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 中国では公害の深刻化でガン死が増加:

« 子供の頃に憧れたアラカンの「聞書」を読んだ | トップページ | 医療費などの効率化に関する櫻井財務副大臣の考え »