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2011年6月26日 (日)

日経新聞の1枚の表が物語る復興の難しさ

 政府の復興構想会議は25日、「復興への提言~悲惨のなかの希望~」を菅総理大臣に答申した。26日の各紙朝刊は提言を大きく取り上げていたが、注目したのは、日経の「東日本大震災と阪神大震災の被害額・経済環境の比較」と題した表である。これを読めば、復旧、復興のための財政負担は今回、巨額にのぼるが、それを担う日本の経済力が阪神大震災当時に比べ著しく落ちていること、国の財政がひどく悪化していること、そうした厳粛な事実を思い知らされる。

 表は「発生年月」、「被害額」、「名目GDP」、「国と地方の長期債務残高」、「65歳以上人口」、「社会保障給付費」の6つを並記している。発表された資料には、「復旧・復興のための国費」、「一般会計の公債依存度」、「基礎的財政収支」、「日本国債の格付け」も載っている。それらを見てほしい。

 被害額:    東日本大震災 16.9兆円   阪神大震災  9.6兆円 

 名目GDP:             479兆円            489兆円

 国と地方の長期債務残高:   869兆円             368兆円

 65歳以上人口: 2958万人(全人口の23%)  1759万人(全人口の14%)

 社会保障給付費:       105.5兆円           60.5兆円

 復旧・復興のための国費:14.1~20.0兆円         5.02兆円

 一般会計の公債依存度:    45.8%           22.4%

 基礎的財政収支/GDP:   ー6.5%           ー3.2%

 日本国債の格付け:ムーディーズ   Aa2                             Aaa

                              S&P                 AA-                            AAA

 長期にわたる経済の低迷、デフレを脱するための経済構造改革をほとんど行なわず、高齢化などによる財政需要の増大をもっぱら国債の増発でまかなってきた十数年間のツケがたまりにたまった結果がこのざまだ。政治が東日本大震災の復旧・復興を契機に、日本経済の再生につながる思い切った政策に踏み切れなければ、電力不足などビジネス環境の悪化もあって、日本の企業はどんどん海外へと脱出するだろう。つれて、雇用も縮小しよう。日本の凋落が本格化する。

 提言は必ずしも具体論に立ち入っていない。だが、与党民主党と政府とが提言を受けて、日本再生へと本気で踏み出さねば、救いはない。政局に、選挙に、しか関心のない政治家ばかりだと、何らかの形で国民の怒りが爆発するだろう。歴史はそうした懸念を教えている。

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