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2011年6月16日 (木)

復興財源は最終的に増税しかない

 民主党、自民党らの超党派で構成する「増税によらない復興財源を求める会」は16日、声明を発表した。衆参議員211名が名前を連ねているという。

 デフレが続いているのに、増税をしたら、日本経済は計り知れない打撃を受ける。したがって、復興国債や埋蔵金を活用すべきだというのが声明の趣旨である。

 大震災の復興財源をどこから得るか。大きな課題である。これまでは、財務省が細かい手練手管を使って財源をひねりだしていたが、相当に無理したやりかただった。したがって、本格的な復興財源を確保しないと、第二次補正予算やその先の復興予算を組むことはできない。

 そのためには、増税するか、復興国債を発行するか、のいずれかだろう。増税だと、消費税の引き上げもあれば、所得税、法人税の引き上げもある。所得税、法人税の引き上げはある程度の反対は予想されるものの、実務的にはそんなに手間がかからないから、来年度から実施可能ではある。だが、消費税は益税の解消が求められるし、食品など生活必需物資は低い税率にとどめるといった要求もあるから、引き上げるにしても、来年度実施は難しい。

 その点、復興国債の発行で財源を確保するのは、国会の合意さえできれば、容易、かつスピーディーである。しかし、一般の赤字国債とは明確に分け、短い期間に償還するようにしなければいけない。それには、時間差はあるものの、何らかの増税措置が伴わざるをえない。さもないと、危機的な財政悪化状態に一段と拍車をかけることになる。

 というわけで、復興国債を発行して復興財源を確保するにしても、財政健全化を踏まえて、税収増による復興国債償還のやりかたを予め決めておく必要がある。復興国債は「増税によらない復興財源」には該当しないのである。

 大震災を経て、多くの国民は被災者の救援のため、おカネや物資を送ったり、ボランティア活動に参加している。また、国の財政が危機的な状況にあることから、かなりの割合の国民は復興財源として増税を受け入れる意向を示している。

 したがって、政府は国民に真正面から向き合って、復興財源としての増税プランを訴えればよい。その際、とりあえずの財源としては復興国債を発行する。増税は1~2年後から実施し、復興国債は5~10年で償還するといったスケジュールが考えられる。増税は、国民の皆が負担するような内容(例えば、個人所得税なら納税額の一律1~2割増しとか、消費税だけなら災害復興に充てるための税率を1%上乗せするとか、組み合わせはいろいろ考えられる)にしたい。

 「求める会」は埋蔵金をも挙げているが、そうそう無駄金が隠れているわけでもないことは民主党が実績でみせてくれた。国会議員は選挙を意識するあまり、増税を逃げてはならない。国家百年とまでは言わないが、日本の将来を考え、財政危機を直視してほしいものである。 

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