« 菅総理大臣不信任案をめぐる茶番劇のあほらしさ | トップページ | 田坂広志氏のリーダーシップ論 »

2011年6月 7日 (火)

松浦祥次郎氏が語る福島第一原発事故のあまりの重さ

 元原子力安全委員会委員長の松浦祥次郎氏が5月10日に日本記者クラブで行なった会見の記録を読んだ。率直に見解を述べているので、衝撃的な内容に驚く。彼は読売新聞などの会見にも応じているが、同様である。

 日本記者クラブでの会見では、次のようなことを語っている。

 ――人の暮らしとコミュニティを防護する、それがないと、原子力発電はこれから先、社会に受け入れてもらえなくなるのではないかという危機感を覚えざるをえない。

 ――今後、原発は徹底的に放射性物質を漏らすことがないものにせざるをえない。それがつくれるか、それをどう実証するか、が今後の大きな問題である。

 ――スリーマイル島の事故は今回よりはるかに簡単な事故だった。それでも、もう安全と言えるまで後始末をきちんとやるのに15年かかった。福島原発の場合は数十年かかると覚悟しないといけない。

 ――福島第一原発の5号炉、6号炉、および第二原発は技術的には再開が可能だと思う。しかし、再開には、地元の人々の生活を侵すことがない、コミュニティを壊すことがない、そして、いま壊れかけたコミュニティをどう直せたか、ということが非常に厳しく問われるだろう。それが、再開できるかどうかの答えを出すことになるのではないか。

 ――原子力研究開発機構が開発している高温ガス試験研究炉は、ひとりでに冷却する安全なものである。ただし、出力、密度はうんと小さい。

 読売新聞の4月9日付け「編集委員が迫る」では、松浦氏は「最悪なのは、新たな水素爆発で格納容器が破壊され、放射性物質が大量に流出する」事態だとして、次のように語っている。

 ――そうなると、近くには立ち入れず、他の炉も手が付けられなくなる。こうなると、日本にはもう解決策がないと思う。放射性物質の放出量はチェルノブイリの事故を上回るだろう。そういった事態はなんとしても防がないといけない。

 ところで、福島第一原発は、4つの原子炉を安定化するために、綱渡りのような努力を続けている。6日夜、福島第一原発の吉田所長へのテレビ・インタビューを見て、危機にふさわしいリーダーの風格を感じ、ちょっぴりほっとした。

|

« 菅総理大臣不信任案をめぐる茶番劇のあほらしさ | トップページ | 田坂広志氏のリーダーシップ論 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 松浦祥次郎氏が語る福島第一原発事故のあまりの重さ:

« 菅総理大臣不信任案をめぐる茶番劇のあほらしさ | トップページ | 田坂広志氏のリーダーシップ論 »