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2011年7月20日 (水)

東京穀物取引所の心変わり

 コメの先物取り引きが8月8日に始まる。農林水産省から試験上場の認可を得たためである。それに伴い、東京穀物商品取引所はすでに決まっていた東京工業品取引所への農産物市場の移管を取り止めることとし、19日に両取引所がその旨を発表した。 

 東穀取は農林水産省関連の商品先物取引を行なってきたが、取引の縮小で経営が悪化する一方。そこで経済産業省関連の商品先物取引を担っている東工取に“救済合併”されることになっていた。ところが、永年、東京穀取の願望だったコメの先物取引が試験上場(2年)の形で認可されたので、東穀取は単独で農産物市場を運営することにし、“救済合併”の話を白紙撤回するよう東工取に申し入れたというわけだ。

 東工取の江崎格社長が19日の記者会見で「非常に遺憾」と表明していたように、東穀取の態度急変には違和感がある。

 コメの上場は、東穀取が繰り返し農水省に要請してきたが、同省は現物の取引に悪影響を及ぼすという観点で認めなかった。それが、いまごろになって認めたという根拠は何なのか、はっきりしない。

 商品先物取引の世界は、日本では農林水産省と経済産業省とが共同で所管してきた。法律は1つだが、実際は2つに分かれていて、農産物の商品は東穀取が扱い、農水省が東穀取を所管してきた。同様に、鉱物の商品は東工取が扱い、経産省が東工取を所管してきた。理事長などの主要ポストは両省の天下りで占めてきた。いまもだ。 

 全くの想像だが、農水省は東穀取が東工取に事実上、吸収合併されると、天下りポストを失うから、東穀取の生き残り策として、コメの試験上場を認可したのではないか。そうとしか思えないのである。もっとも、コメ上場で東穀取が生き残れるのか、どうか。官の発想から完全に自由でないと難しいだろう。

 商品先物取引の世界は、世界各地の商品先物取引所との激しい競争の中にある。そういう現実を踏まえて競争力を強化しないと、アジアの中でも劣後してしまう。金融・証券の分野も全く同じ問題を抱えているのだが。

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