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2011年8月15日 (月)

税理士界の危機意識

 日本税理士会連合会の会報「税理士界」の8月15日号を読んだ。本年は税理士法が制定されてから60年という。日税連の主張を表すコラム「源流」は「税理士は今、何をすべきか」と題する文の中で、日本の現状を次のように認識している。

 ――日本では遅々として(日本を取り巻く世界の環境のすさまじい)変化への対応が進まず、権力支配、利権・既得権益による金力支配、そして政治の混乱に明け暮れている。生活保護世帯が200万人に達する現状が示すように、「依存型文化」への変化も危惧されよう。「何とかなるんじゃないか」という雰囲気が蔓延し、すべての国民の「危機感欠如」が更に危機を招いている。――

 そして、「このままでは税理士業界の退潮も避けられない」と述べる。中小零細企業は過去15年間で50万社以上減っている。また、赤字体質の法人がほとんどだという。「はたして今までのような業務形態でいいのか、いよいよ正念場の時代を迎えたのではないか」とまで言う。

 別のページにあるコラム「発言席」は、鶴田悦道氏(東海会)が「租税教育の重要性と公益性への拠出」と題した投稿であるが、「なぜ税を納めるかという問いについて、考える機会が果たしてどれだけの人に与えられているのだろうか」と問題を提起している。

 租税の役割や申告納税制度の意義、納税者の権利・義務を正しく理解するのは民主国家の国民のイロハのはずだが、日本では、源泉徴収と年末調整だけの人が大部分。「ゆえに「税」への関心は増税か減税かに集中し、選挙立候補者は減税を謳わなければ当選できない」、「納税の意識が希薄である。欧米諸国と比べても、その意識の低さは顕著である」と指摘する。

 そして、米欧の国民は税金が国を支える基盤であることを子供の頃から教育の一環として教え込まれているという。「租税教育の充実は、国民の政治参加を促し、納税への理解を得、公共サービスに前向きに拠出できると考える(ようになる)」と書いている。

 従来、ややもすれば、特権にあぐらをかいているようにみえた税理士界にも、自らの将来に対する危機意識がかなり芽生えてきたようだ。

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