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2011年8月30日 (火)

国民無視のノーサイド

 民主党の総裁選挙で野田佳彦氏が勝ち、総理大臣の座を射止めた。立候補した5人の中では一番ましだと思っていたが、幹事長に輿石東参議院議員会長を指名したのにはびっくりした。

 野田氏は、総裁に選ばれたときのあいさつで、ノーサイドにしましょうと訴えた。党内の結束は当然のことである。しかし、党員資格停止中、つまり現在、党員ではない小沢一郎氏と最も近い党内有力者で、小沢氏の意思を代弁することが多い輿石氏を、幹事長に充てるというのはどういうことか。党の組織とカネを握る幹事長のポストを小沢一派に渡すことは、小沢氏の軍門に下るのに等しいのではないか。

 輿石氏は75歳で、後期高齢者にあたる。しかも参議院議員である。民主党は参議院では少数政党であり、同氏の民主党衆議院議員への影響力も乏しい。結局は小沢氏の威を借るしかないだろう。

 それに、小沢氏が幹事長などを務めたとき、党の資金37億円余を勝手に引き出した使途不明金問題は未解明であり、輿石氏もその件では1億円近いカネを受け取ったとされる。また同氏の出身である山梨県教職員組合が違法な資金集めをしたり、選挙運動に組合員を動員したりした事件を起こしている。

 そうした疑惑などを抱える輿石氏をよりによって政権運営の要となる幹事長にと考えた野田首相は、党内融和という内輪の事情を最優先し、国政を二の次に考えたのだろう。しかし、総理大臣であっても、幹事長がノーと言うようなことを推進することは難しい。まして、ねじれ国会である。

 内閣の編成はこれからだし、官房長官に誰を就けるかも首相にとってきわめて大事だ。しかし、輿石幹事長と新官房長官とが対立したら、おそらく幹事長のほうが強いだろう。

 まだ、野田内閣の発足前だが、幹事長人事は野田内閣のゆくえを決定づけるような出来事になりかねないような気がする。党の綱領もなく、政治家としての素養も経験もないような連中が小沢氏の手のひらで踊り、民主党内も国会も、国民の幸せはどこ吹く風、権謀術数の渦巻く場になるおそれがある。

 昔、映画で、主人公のむっつり右門が「うん、貴公、青いよ、若いよ」と年配の同心、あばたの敬四郎に皮肉られる場面があった。それを思い出す。

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