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2011年8月 7日 (日)

公務員給与総額2割削減の公約は忘れたの?

 民主党と自民・公明両党は子ども手当と児童手当の折衷案のようなもので合意に達したようだが、それで赤字国債法案が国会を通ることにはならない。高速道路無料化など、民主党のばらまき政策がまだまだ撤回されていないため、自民党が強硬に反対しているからだ。

 だが、不思議なのは、民主党が政権奪取のために掲げたマニフェストで、公務員給与総額の約2割削減を明記したのに、民主党も自民・公明両党も、この実行について全く触れていないことである。(みんなの党は8月5日、国家公務員の人件費総額を20%以上削減する法案を提出した)

 すでに、民主党政権は、本省課長補佐8%、係員5%の給与カットなどを盛り込んだ法案を提出しているが、審議も何もされず、棚上げ状態だ。公務員・労働組合にとっては好都合である。しかし、国家公務員給与の2割削減を実施すると、これに準拠する地方公務員の給与も同様な削減を期待できる。国としては地方交付税交付金の削減につながる。両方を合計すると、ざっと5兆円の歳出削減に相当する。

 民主党政権はマニフェストのばらまき政策を撤回ないし修正することに猛烈に抵抗している。その一方で、公務員給与に関してはマニフェスト通りに実施しようともしない。民主党の政治家はカネで票を買うことしか頭にないのだろう。

 2011年度国家予算(一般会計)では歳出規模が大きく、そのため税収に匹敵する新たな“借金”をしようとしている。これが実現すると、日本の国家財政はGDPの約2倍の“借金”残高を抱えることになる。そのことを与党の政治家は異常だと思わないのだろうか。

 米国において、政府が債務上限引き上げを求め、これに共和党が強く反対し、もめた。結局、上限引き上げと歳出削減との抱き合わせで一応決着したが、米国債の長期格付けについてS&PがトリプルAからダブルAプラスに1段階引き下げた。米国の国家財政がそこまで悪化したからだが、日本の国家財政は、米国よりもはるかに深刻である。

 菅総理大臣は自分の興味のある問題にしか関心を示さなくなっている。だからといって、米国財政の緊迫した状況にも、また、日本の赤字国債法案の実現にも見向きもしないのは明らかに異常である。民主党の内部から総理大臣をやめさせる具体的な行動が出てこないのもこれまた異常だ。

 ところで、人事院が国家公務員の定年延長に伴い、60歳超の給与水準をそれ以前の約7割に減らすなどの素案をまとめたという(日本経済新聞8月7日付け)。人事院は民間準拠を建前としている。だが、調査対象の民間事業所は50人以上で、中小企業の多くは対象外。また、国家公務員は民間と違って60歳まで賃金は上がる一方。そうした問題点を改めないで、雇用延長するのは民間より優遇するという話で、国家財政への負担は重い。

 人事院は霞が関の官庁の1つ。公務員給与の水準を決めるのは、自分たちの給与水準を決めるのと同じで、お手盛りになりやすい。しかも天下りで他省庁にお世話になってきたから、霞が関の官僚にきらわれるようなことはしない。経済産業省と原子力安全・保安院との関係とは違うが、人事人もまた本質的な問題を抱えている。本来、国家公務員の給与などは霞が関とは利害関係のない公正な第三者が国民の立場を踏まえて決めるべき筋合いのものである。

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