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2011年9月 4日 (日)

20万頭の子を持った肉牛

 KOSMOSフォーラム「統合的視点で見る「食」とは~世界と日本をつなぐ食」(9月3日開催)を聞いた。石毛直道国立民族学博物館名誉教授がコーディネーターで、佐藤洋一郎総合地球環境学研究所副所長、鷲田清一大谷大学教授らがそれぞれの専門的立場から、テーマに即して短い講演を行ない、あと自由討議があった。

 2時間半の長丁場において、興味深いと思った話を順不同でいくつか紹介する。私なりの咀嚼による。

 「日本には肉牛が300万頭ぐらいいる。しかし、その内の20万頭は同じ父親である。精液が冷凍保存されているので、父親の牛が死んで2年たっても精液が使われている」(佐藤氏)。

 「食はコミュニケーションの媒介をする。つくり手と食べ手とをつなぐ。寿司(カウンターに座って握ってもらう)はつくり手と食べ手の間にコミュニケーションがあるが、西洋のレストランはそれがない。つくり手と食べ手との間にはウエーターが介在する」(石毛氏)

 「いかつり漁船は光がとても明るい。その明るさを3分の1に落としても、漁獲量は変わりない。皆、同じ明るさの中で、1船だけがより明るくすれば、そこだけ沢山獲れるので、お互い競争した結果、あんなに明るくしているのだ。政府が規制するとか、業者の話し合いで暗くすればいいのに」(松田裕之横浜国立大学大学院教授)

 「食については、他の人と分け合って食べる(共食)ことと、味覚(味わい分ける、吟味)の2つが隣人(夫や妻とか、子供とかも含む)との信頼関係の基盤となる。ある人の味覚は他の人にはわからない。だから、「どう、おいしい?」とたずねる。それは思いやりである。人間は味わい分けを禁止されると、つまり単に栄養をとる(feed)だけを迫られると、自分をないがしろにされたというプライドから食べることを禁止する、つまり飢餓を選ぶこともある」(鷲田氏)

 このほか、石毛氏から「地産地消は金持ち国の話ではないか」という指摘や、「牛、豚などにトウモロコシなどの植物を食わせて育てるのは、魚の養殖と同じだ」という意見があった。

 松田氏からは、「二世帯住宅を含め、大家族制に戻したほうがいいのではないか。昔は保育所がなくても子供を育てていた」という意見も。

 また、古沢広祐国学院大学教授は、「どういう食生活をするかで、地球が養える人口は全然違う。米国型だと25億~30億人だし、インド型だと100億人近い」と語った。

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