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2011年10月12日 (水)

「おいしい公務員」

 「週刊ダイヤモンド」の10月15日号は特集「おいしい公務員 増税論議の裏で温存される“甘い体質”」を掲載している。全国47都道府県、809市区職員「給料ランキング」はじめ、公務員天国の実態を示すデータや事例はとても参考になる。

 地方公務員の「給料ランキング」のデータはいろいろな読み方ができる。第1に、全国的にみて、都道府県・市区ごとの平均年収は民間よりはるかに高い。地域の民間労働者の平均所得とはほとんど関係なく、国家公務員にほぼ右ならえしているからだろう。人事院勧告が民間準拠などと言うのは嘘っぱちである。

 第2に、地方自治体の自主財源(地方税など、自治体が自らの権限で手にする収入)に対する人件費比率は都道府県のほとんどが50%を超えていて、鹿児島、沖縄両県は100%超、高知、奈良、鳥取県は90%台である。これらの県は、自前の税収などをまるまる人件費に充てているのである。

 市の場合は、つがる市133%、竹田市115%、対馬市114%、垂水市108%、宮古島市105%、五島市103%、豊後大野市101%、と100%を超えている市が7つもある。50%超~100%未満も相当な数にのぼる。ただ、首都圏や愛知県ではほとんどの市が20%台か30%台である。

 このように、地方自治体は自前の歳入に関係なく、歳出を決めていることがわかる。国から来る地方交付税交付金や補助金などに依存する財政のありかたが当たり前になっている。これで、地方自治だとか、地域主権とかを声高に言うのはいかがなものか、と思う。

 また、この特集を通読して痛感するのが、まず、地方自治体のコスト意識の欠如である。国の財政が危機的な状況にあるにもかかわらず、自治体の給与、退職金、年金は民間よりはるかに高い水準であり、退職者への天下り先も当然のように世話している。

 自治体の役割や経費も見直す必要がある。役所がしなければならない仕事かどうか。役所がやるべきだとしても、もっと少ない人員や経費でできないか。そして、仕事をしてもしなくても同じような給与を払うのではなく、能力・成果に応じた昇進昇給をある程度採り入れるべきだろう。

 さらに、議会(議員)が首長や自治体職員(労組)とべったりしていて、上記のような問題点を改める動きがきわめて乏しいことだ。民主党および中央政府もまた、こうした問題にメスを入れようとしない。自民党やそのほかの政党も同様。霞が関の官僚もまた、自らの特権を擁護することに汲々としている。

 ということは、民間の労働者や企業が本気になって怒り出さない限り、官僚支配の日本は衰退の道をたどる可能性が高いのではなかろうか。既得権益を死守しようとする連中の言う通りにしていたら、お先真っ暗である。

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