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2011年11月16日 (水)

被災地中小企業の再生支援

 国会議員は誰も、財政健全化を意識して歳出や立法に取り組まねばならない。これは当たり前のことである。

 東日本大震災で被災した中小企業は被災前からの借金を抱えているだけでなく、事業を再建しようとすると、新たな借り入れが必要となる。このため、政府・民主党は産業復興機構を設立して、そこが金融機関から中小企業向けの債権を肩代わりし、借金返済を猶予するスキームを考え、財源に、中小企業基盤整備機構から出資させることにした。

 これに対し、自民党、公明党などの野党は再建困難とみられるような中小企業をも債権肩代わりの対象に入れるよう求めた。そして、それに沿った仕組みを東日本大震災事業者再生支援機構法案として国会に提出した。焦げ付きになった場合には国が穴埋めするというもの。

 民主党案は、事業仕分けで国庫に返納することが決まっているカネを“流用”すれば、新たな法律を制定する必要がないため、被災地救済にすみやかに対処できるという。いったん手にしたカネを返したくない役所の悪知恵と言えなくもない。

 結局、産業復興機構と東日本大震災事業者再生支援機構の両方を併存させ、連携させるという妥協が成立し、それをもとに修正された再生支援機構法案が15日、衆議院を通過した。近く参議院でも可決し、成立する見通しという。

 衆参のねじれがあるため、与党が野党に譲歩する形で法案が成立するケースが増えたのはやむをえない。さりとて、野党が反対のための反対をして、いたずらに時間を空費したり、歳出が膨張することになるのは、内外の経済情勢が緊迫の度合いを強めているときだけに非常に問題だ。

 今回の件では、野党が、再建困難とみられる中小事業者への融資債権までも実質上、国が金融機関から肩代わりし、焦げ付いた場合には国が穴埋めするというスキームを主張し、それが法制化する見込みだ。しかし、再建がむずかしいとみられる中小事業者の被災前の債務を肩代わりするというのは、国はどぶにカネを捨てるようなものではないか。

 被災した中小企業が気の毒だからといって、再建の見通しのない事業にまで政府がカネを出すのはおかしい。事業をやめざるをえない中小企業主の生活支援は当然行なう必要があるし、政府がやるのはそこまででいい。そして、財政負担も少なくてすむ。

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