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2011年11月20日 (日)

無い袖を振る日本財政

 原田泰氏が「新潮45」の最新号で、東日本大震災の被害を6兆円と推定、それを元に戻すには、臨時増税は要らないという趣旨の文を書いている。同氏が先に「中央公論」8月号で展開した論旨と大きくは違わない。こっちの文については、ブログの7月15日「復興費用はなぜ巨額?」で取り上げた。

 「新潮45」では、6兆円のうち4兆円を民間の被害とみなし、その2分の1を政府が助成するという前提で計算している。政府が受けた被害2兆円については、政府が負担して元通りにするという。したがって、政府が復興費用を20兆円以上と推計して、次々に補正予算を組んでいくのは、財政の大盤振る舞い、バラマキということになろう。

 被災した地域の自治体は、震災前に戻す復旧は無論のこと、これを機に、新たな街づくりや産業振興を図ろうと復興プランを立て、その資金を政府に出してもらおうとしている。そうした被災地の意欲は結構だが、政府がそれに応じていると、地域の“焼け太り”になりかねないのではと思ってしまう。原田氏の論文を読むと、そうした問題点に気付かされる。

 11月17日の朝日新聞朝刊。世界債務危機に関するインタビューで、伊藤隆敏東大大学院教授が日本の政府債務(借金)について「ここ1、2年は日本国債は心配ないだろうが、5、6年先には危機的な状況になる可能性はある。日本は欧州のことを心配している場合ではない」と語っている。どうすればいいかの質問に対して、「消費税の増税しかない。今の5%から25%に引き上げれば、年50兆円税収が増え、財政赤字が解消できる」、「先延ばしすれば、一気に危機がくる」、「痛みを伴っても徐々に増税するしかない」と述べている。

 また、11月18日の日本経済新聞夕刊のコラムで、足立茂文教大学教授は、イタリアの国債流通利回りが7%を超えて危険水域に入り、日本も財政再建待ったなしだと指摘している。そして、①恒久財源なしに新規施策はないというペイ・アズ・ユー・ゴー原則を守ること、②産業などの保護政策に決別し、教育・訓練で労働能力を高めること、③産業競争力強化をめざし、法人税、自由貿易協定などのビジネスインフラを強化すること、を求めている。

 国会、政治家は目先の政局にばかり目を奪われているのではなく、国の将来を考え、中長期的にものごとを判断してほしい。いまのままだと、間近に財政破綻が起きる可能性があるのではないか。

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