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2011年12月22日 (木)

日本の格付け会社が日本国債の格付けを下げた

 格付け投資情報センター(R&I)が21日、日本国債の格付けを1段階(ノッチ)引き下げ、最上位のAAAからAA+(ダブルAプラス)に変更した。すでにスタンダード&プアーズ(S&P)がことし1月27日にAAからAA-に、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが8月24日にAa2からAa3に、それぞれ1段階下げているが、日本の格付け会社としては初めて自国のソブリンリスクを反映して引き下げた。R&Iは政府系機関等の15法人も1段階下げた。日本政策金融公庫、住宅金融支援機構などである。

 R&Iは日本ソブリンを引き下げた理由の中で、「現在の規模で国債発行を続けられると想定できるのは向こう数年だろう。財政再建は時間との競争という局面に入ってきている。現在のように低利で大量に国債を発行できる環境が今後も変わらずに続くという想定の下で財政運営を続けていくリスクは非常に大きい」と述べている。

 これに関連して、「2012年度予算は震災からの復興と財政再建という課題に挑む極めて重要な予算になると考え、その動向を注意深く見守ってきた」が、「社会保障費を含めた歳出の徹底的な見直し、民間の経済活動の活性化につながる制度改革、そして財政再建へのコミットメントを高める制度改革など、R&Iが期待していた改革は先送りされる公算が大きい」と指摘している。そして、理由の末尾のところで、「仮に消費増税が先送りされるようなことにでもなれば、格付けには再び下押し圧力がかかってくる可能性がある」と締め括っている。

 上記のように、R&Iは日本の財政再建にかなり厳しい見方をしているが、それを素直に理解すれば、いきなり2段階、格付けを下げても、ちっともおかしくなかったように思う。ちなみに、ムーディーズもS&Pも日本ソブリンに対して上から4番目のレベルの評価をしている。

 R&Iの内部の検討過程では、そうした一挙に2段階下げるべしとの意見は出なかったのだろうか。あるいは、ある程度、時間を置いて、改めて1段階下げるという議論もなかったのだろうか。

 理由の中には「R&Iは政策次第で財政再建は十分可能と判断しており、格付けの方向性は安定的とした」と述べている個所がある。だが、その「政策次第」こそが現代日本政治が最も苦手とするところである。ムーディーズは「今後10年で日本国の債務が抑制、削減されることはない」と言い切っている。

 格付けは、影響力を持たねば、存在意義がない。さりとて、影響が大きければ、政治経済社会からのリアクションも大きい。R&Iの1段階引き下げは、日本の格付け機関ゆえの結論のような気がする。

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