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2012年1月31日 (火)

談合体質が抜けない日本企業

 1973年のオイルショックを受けて、石油元売り業者は価格カルテルを結んだ。しかし、石油連盟加盟の元売り業者の中で、エッソ・スタンダード石油は公正取引委員会による摘発の対象にならなかった。同社は親会社の米エクソンの方針で、独禁法違反などを起こさないよう、管理職以上に毎年一回、法令に違反する行為をしないとの誓約書をそれ以前から書かせていた。だから、石油連盟の理事会など同業者間の話し合いの場でカルテルの話が出ると、同社の人間は退席していた。

 米国では独占禁止法に違反すると、その人は経済界から実質的に抹殺される。例え、外国にある子会社でも、違反事件があると、親会社の経営者は責任を問われるおそれがある。日本のエッソでも神経質にカルテルに関与しないようにしていたのには、そうした背景があった。

 そんなことを思い出したのは、矢崎総業が米国で価格カルテルを結んでいたとして4億7千万ドルもの罰金を支払うことになったという報道に接したからである。同社の米国法人の社員4人は1年3ヵ月~2年の禁固刑に服するとのこと。同社は日本でも公正取引委員会に約96億円の課徴金を納めるので、合計で460億円近い金額となる。

 米国では、矢崎ほどではないが、デンソー(7千8百万ドル)、古河電気工業(2億ドル)も罰金を支払うことに同意している。グローバルに事業を展開しているデンソーなどでさえ、米国で独占禁止法に違反する行為をしていたのには驚く。

 日本では○○工業会、△△連盟など同業者の団体があり、同業者間でさまざまな問題について話し合うのが当たり前。同時にゴルフ会など懇親の場も設けられる。しかし、同業者間の付き合いは価格カルテルや生産カルテルなどの談合を生む土壌になりがち。日本では同じような商品・サービスを提供する業者の数が多く、過当競争が起きやすいことも談合体質をはぐくむ。

 日本の大企業はそうした談合体質を改める必要があるのに、いまだにちょくちょく摘発される。そうした日本国内のビジネス慣行をそのまま海外に持ち込んだというのが、今回のカルテルの意味である。巨額の罰金を支払うことになったため、矢崎などの経営者は申し訳程度に給与カットをするというが、カルテルが経済犯罪として厳しく糾弾されたという事実をまともに受け止めたら、そんな甘い責任の取り方ではすまされない。日本企業が真にグローバル化するまでの道はほど遠い。

 日本企業では、社員に法令違反をするな、と具体的に教育することはほとんどない。教育しなくても、なんとかビジネスができてしまう。しかし、海外では法令違反したら、厳しい処罰を受けることになりかねない。日本と外国とではビジネス風土が大きく異なっているのである。海外でビジネスを本格展開するつもりなら、そうした基本を社員に叩き込むべきだ。

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