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2012年1月27日 (金)

日産自動車追浜工場を見学して考えたこと

 電気自動車「LEAF」を生産している日産自動車追浜工場(神奈川県)を見学した。同一ラインでほかの3車種も組み立てる混流生産である。日産の自動車工場を見るのは十数年ぶりだが、いくつか気付いた点を挙げると、まず、組立ラインのスピードが結構速いこと。作業者は足早に移動し、パッパッと決められた作業を行なう。毎日、何時間もそうした単純作業をするのだ。その間、おそらく、作業をこなすことしか頭にないだろう。

 日産の大株主である仏ルノーのライン・スピードは、日本人からみれば「遊んでいるのじゃないか」というほどゆっくりらしい。日本人ほど器用ではないからだという話を聞いたが、フランスの労働者には、単純労働の素早い反復に対する心理的抵抗が強いのではないかとも想像する。

 メード・イン・ジャパンのクルマは品質が良いといわれる。しかし、国際競争の激化により、技術やブランドで優位を保つか、人件費やエネルギーコストなどを抑えないと競争力を失う。追浜工場の自動車生産は、そうした厳しいグローバル競争の最前線にあることを強く感じた。

 3.11のあと、日本の原子力発電所は次々に停止し、まもなく54基すべてがとまる。おそらく、脱原発が世界で初めて実現する国になる。このように、国内の電力供給が細る中で、電気をエネルギー源とする電気自動車が最先端商品として生産され、普及するというのは何とも皮肉である。

 追浜工場で見た組立工程には生産性向上などのためのスローガンが全然なかった。また、TQCなどへの取り組みを伝えるボードも見かけなかった。工場はたくさんの鉄柱、機械、部品(およびそれを入れる箱)などと作業員だけ。無味乾燥と言えなくもない。

 オフラインで、部品棚から組立ラインの各作業者が組み付ける部品だけを1つずつ取り出して箱に入れるのを見た。その作業をするとき、青いランプが点いた棚からだけ部品を取り出すようにしていた。それだと、ほとんど考える必要がないから、間違わないし、早い。そうした生産性を高める工夫が随所にあった。

 それらから想像するに、TQCなど個人の工夫や努力にまつのではなく、それらを機械に体化して間違いをなくし、作業スピードを上げる。工場の人と機械との関係がそっちに変わったのだろう。人の工夫や努力に頼る部分が減って、機械に任せるようになっているということ。したがって海外に生産拠点をシフトしやすい。ただし、製造業の現場で働く人たちの仕事の工夫のし甲斐、やりがいが減っているということである。

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