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2012年2月23日 (木)

オリンパスの次の社長は経営風土を刷新できるか

 オリンパスの次の社長は内部からの昇格になることが内定した。社外取締役でそう決めたから手続き的には問題はないのだが、巨額の飛ばしなどで財テクの損失を隠ぺいし続けることができた経営風土を刷新するのに、いまの役員の中から新社長を、というのは違和感がある。

 かつての山一証券は大規模な飛ばしで損失を隠していたが、その事実を社長ら、ごく一部の人間しか知らなかった。山一は会社がつぶれたが、オリンパスは倒産していないから、問題を引き起こした経営風土には基本的にメスが入っていない。会社の建て直しには、同社の経営風土をがらりと変えることができる経営者を外から受け入れるべきではないか。

 いま、少なからぬ数の日本のビッグビジネスがグローバル競争の中で落伍しつつある。エレクトロニクス・情報分野のように、かつては世界をリードした企業が新商品・サービスの売り出しやコストで韓、米などの後塵を拝している。その背景には円高などもあるが、社員および組織の創造力、構想力、機動力などが乏しいからだと思われる。

 医療機器に強いとはいえ、オリンパスも日本のビッグビジネスが抱える弱点を持っている。したがって、今回の事件を奇禍として、グローバル競争にふさわしい経営体制に大胆に転換したらよかった。残念ながら、社外取締役たちも、上記のような弱点を持つ企業の出身である。

 ところで、就職活動をしている学生が企業などに「売り」として強調するのは協調性だという調査結果を最近読んだ。従来の日本企業においては、それが重要だった。しかし、いま企業経営に最も求められているのは、画一化ではなく、働く人がそれぞれ自ら考え、組織を活用して新しい商品・サービスを生み出し、事業として推進することだろう。それにふさわしい企業風土を創り出す必要がある。そのためには、異能の士が育ちにくい年功序列、終身雇用のような日本型経営を見直したほうがいいかもしれない。

 オリンパスの次の社長を社内から出すという発想も、日本型経営の旧来の枠組みにとらわれているからだと思う。

 産業界では、新卒採用などでは、個性的、積極的なタイプを採用するとか、すぐれた理工系出身を高給で採用するとか、企業活力を高める方向に少しずつ転換し始めている。外国人の採用も増やしている。そうした企業の動きは、いずれ日本型経営を崩すことにつながるだろう。

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