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2012年3月 8日 (木)

広がる退職給付の官民格差

 7日に発表になった人事院の調査結果によると、民間企業の退職給付は国家公務員の退職給付よりも平均して約403万円、率にして13.7%低いという。退職給付の官民格差は大きく広がっていることが明らかになった。デフレの長期化にしたがって、民間企業では賃上げどころか賃金水準が下がってきているが、公務員の給与や退職給付の制度のほうは民間準拠をさぼり、下げなかったので、官>民の開きが大きくなったのだろう。

 退職給付は民間企業における退職一時金と企業年金現価額(将来にわたって受け取る年金を現在価値に割り戻した金額のうち、事業主拠出分のみ)を足したもの。公務員では退職手当と共済職域終身年金(全額、国の負担)現価額とを足したもの。

 民間企業で退職給付制度があるのは94%、ないところが5%。企業年金と退職一時金の両方の制度があるのは47%にとどまる。また、従業員の規模が小さいほど退職給付は少なくなっている。1000人以上では退職一時金が40年勤続定年で921万円、企業年金現価額1698万円であるが、50人以上100人未満だと、退職一時金869万円、企業年金現価額251万円と相当低くなっている。国の公務員も地方の公務員も非常に恵まれていることが歴然としている。

 2003年の見直しの際も、官が民より5.6%高いという報告だった。さらに1981年見直しのときも約1割、官のほうが高いという結果であった。1973年見直しでは官は民より約2割低いということで是正措置がとられた。以後、1985年見直しでほぼ均衡という以外は、ずっと官高民低の流れが続いていたと言えよう。

 ところで、公務員の給与等を同じ公務員である人事院が判断し、実質的に決めるというのは、公正の観点からいっておかしい。また、厚生年金と共済年金との一元化は2006年4月の閣議で決定されたことだが、公務員サイドの反対で実現しないままだ。官>民のさまざまな格差を是正しないと、公務員ばかりがうまい汁を吸うというアンフェアが続き、国民の不満がたまっていく。

 最近の新聞の社会面を読むと、実にいろいろな人があれこれ悪事を働くようになっている。かつてなら、職場や地域でまじめに働いていたであろう人たちがいとも簡単に罪を犯す。貧富の差や人間関係の希薄化などで、社会の規律が弛緩し、個人の欲望がむきだしになってきたからである。国民に奉仕するはずの公務員が自らの利益追求にばかり走るのも、社会の危機に拍車をかける。

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